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家計

キャッシュレス化推進のカギは、生活者に「現金離れ」をどう促すか

キャッシュレス化が進んでも、依然として現金への信頼は根強い(イメージ)

キャッシュレス化が進んでも、依然として現金への信頼は根強い(イメージ)

 新型コロナウイルスの脅威がいよいよ本格的になり、リスクを避けるため外出を控える動きもみられるようになってきました。「日用品の買い物は、外出せずにネットで」という人が増えれば、昨今のキャッシュレス化の流れを強めることにもなりそうです。

 前回、筆者が執筆した記事〈キャッシュレス化の進行は歓迎されず? 半数近くが「期待しない」〉では、世の中のキャッシュレス化への予測や期待、キャッシュレス化の先に望む生活の様子について生活者調査の結果を紹介しました。今回もキャッシュレス化をテーマに、少し別の切り口から、生活者意識の現状について紹介します。

キャッシュレス化で便利になった? 複雑になった?

 博報堂生活総合研究所が2019年11月に実施した「お金に関する生活者意識調査」では、お金についての考え方を「【A】か【B】か」という二択で質問しています(全国20~69歳3900名、調査概要は末尾)。

 最初に紹介するのはこちらの質問。電子マネーや個人間送金サービスの進化によって、「【A】お金は便利になった」か「【B】お金は複雑になった」か、どちらだと思うかを聞いてみると、

【A】お金は便利になった:56.3 %
【B】お金は複雑になった:43.7%

 と、「【A】お金は便利になった」との回答が過半数になりました。

 特に男性では【A】が60.4%と、女性の52.1%に比べて高いスコア。20~60代の年代別では、あまり大きな差はみられませんでした。「便利」という意見が多数派ではありますが、「複雑」と感じる人も4割と、皆が皆「便利」と思っているわけではなさそうです。

 たとえば送金という部分では、モバイル決済サービスの中には手数料なしでユーザー間の送金ができるなど、ずいぶん簡単になったなと感じさせる面もあるかと思いますが、同時に、あれこれサービスが増えたり、操作に不慣れだったりと、人によっては「複雑」だと感じさせる面もあるのかもしれません。

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