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東京都では加入義務化 「自転車保険」の失敗しない選び方

“ながら運転”が重大事故を招いた例は多い(イラスト/尾代ゆうこ)

“ながら運転”が重大事故を招いた例は多い(イラスト/尾代ゆうこ)

 今年4月1日から東京都でも加入が義務化されたように、自転車保険加入の動きが全国的に広がっている。「昔は自転車用の保険に入るなんて考えられなかった」と思う人も多いかもしれないが、自賠責保険もない自転車で事故を起こし、高額損害賠償を命じられる判例も続出するなど、自転車を取り巻く環境は一変している。

 両手にスマホとドリンク、耳にヘッドホンの“ながら運転”で、重大事故を招いた例もある。女子大学生が77歳の女性をひき殺したのだ。判決は禁固2年、執行猶予4年となった。自転車保険の必要性と選ぶ際のポイントとは――。

 自転車保険がわが国の損害保険業界に登場したのは、約20年前。その仕掛け人の1人が全日本交通安全協会・参与の長嶋良さんだ。

「私は長年警察畑を歩き、警察庁交通局で交通安全部門を担当してきました。当時は自転車が車の仲間との意識は低く、また、自賠責などの保険制度もない無防備な自転車による事故が被害者家族を苦しめていました。その一方、加害者家族も財産をすべて売り払っても賠償額が満たせず、経済的にも精神的に追い詰められ、生活破綻するのを目の当たりにしてきました。だからこそ、きちんとした自転車保険を作るべきだと考えました」(長嶋さん)

 そんな経緯もあり、「自転車保険では、まず被害者の損害を賠償する機能が重要であり、補償額1億円以上は備えるべき」と長嶋さんは語る。

 自転車保険は個人賠償責任保険をベースに、傷害保険を加えたプランもある。その選び方について、日本損害保険協会の西村敏彦さんは、次のように話す。

「個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険などの特約としてセットすることが一般的です。実際9000万円以上の高額賠償例もありますので、特約の補償額が充分か確認してください。また、自分のけがにも備えたい場合は、傷害保険に個人賠償責任保険をセットするか、自転車保険に加入するのもいいでしょう。示談交渉サービスなどもありますので、契約時に補償内容をよく確認してください」

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