芸能人・著名人の相続・終活
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石井ふく子さんが明かす京マチ子さんへの思い 遺言書とお墓で喧嘩も…

石井ふく子さんは、涙ながらに京さんの「遺言」について語った(写真:共同通信社)

石井ふく子さんは、涙ながらに京さんの「遺言」について語った(写真:共同通信社)

 遺言書が見つからない、相続財産の分配で遺族が衝突する、遺産が把握できない…故人の亡き後、さまざまな理由で“争続”は起こる。愛する家族がトラブルに巻き込まれないためには、最後の責任として「遺言書」を残すことがいちばんだ。しかし、死を前にしながら最後のメッセージを残すのは、簡単なことではない。日本を代表する有名人も、遺言に振り回されていた──。

 大正、昭和、平成、令和を生き抜いた女優の京マチ子さん(享年95)。『羅生門』(1950年公開)、『雨月物語』『地獄門』(ともに1953年公開)など、国際映画賞のグランプリを受賞した作品に次々と出演し、「世界で最も有名な日本人女優」と呼ばれる。プロデューサーの石井ふく子さん(93才)も、スクリーンの中の京さんに心を奪われた1人だ。

「『八月十五夜の茶屋』という映画でした。パッとふすまが開くと芸者役の京さんが立っていて、それがすばらしかったんです。なんとか京さんに近づきたいと思い、知り合いを通じて紹介していただいたんです」(石井さん・以下同)

 その後、ドラマや舞台など、十数本の作品で京さんと石井さんはタッグを組み、家族以上に気心の知れた仲となった。生涯独身を貫いた京さんは、長年マネジャーを務めていた女性が亡くなると、石井さんや女優の若尾文子さん(86才)、奈良岡朋子さん(90才)が住む都内の同じマンションに入居を決めた。

「京さんがひとりで遠くへ引っ越そうとしていたので、私が止めたんです。同じマンションに住むようになってから、お正月には必ず4人で集まって、おせちを食べながら毎年お祝いしていました」

“リアルやすらぎの郷”のような日々に、ある“事件”が起きたのは2018年の秋。突然、京さんから「明日、ちょっと来てほしい」と呼ばれ、石井さんが彼女の部屋を訪れると、そこには公証役場の公証人と税理士がいた。

「公正証書遺言の作成には、立会証人が2人必要になります。なお、相続人となる配偶者や子供は立会証人にはなれません」(司法書士法人ABC代表の椎葉基史さん)

 遺言書の立会人を任されるなど想像もしていなかった石井さんは、思わず京さんに怒りをぶつけてしまう。

「『なんで私が立ち会わなきゃいけないんですか!』って、怒っちゃったんです。彼女は私に何かを残したかったのかもしれないけど、そんなことは聞くのも嫌だった。京さんは『ごめんなさい』って、そればかり言っていました」(石井さん・以下同)

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