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生前に家族共有しておきたい葬儀規模や遺影 先祖代々のお墓の判断も

トラブルを避けるためにも葬儀や墓に関しては事前に家族と共有を(イメージ)

トラブルを避けるためにも葬儀や墓に関しては事前に家族と共有を(イメージ)

 かつてのお年寄りは「葬式代くらいは残さなきゃ」とよく口にした。それくらい最期の儀式を気にかけ、大事にしていたわけだが、その価値観は少しずつ変わってきている。葬儀コンサルタントの吉川美津子さんが指摘する。

「20年ほど前から、葬儀費用の平均額は減少傾向にあります。近年は特に、小規模な家族葬を希望する人が増え、日本消費者協会によれば2017年の葬儀平均額は、195万7000円です。火葬だけで見送る『直葬』なら、費用は25万~30万円程度。以前から都市部を中心に選ばれていましたが、新型コロナの影響もあり、最近では比較的地縁を重視する地域にも波及しています」

 同じ地域内で複数の葬儀社を比較すると、葬儀費用の相場がつかめるはずだ。スタッフの応対やサービス内容などを重視して、夫婦で事前に選んでおくようにするといい。

 以前よりも簡素な葬儀が主流になりつつあるとはいえ、夫の親族や友人、職場関係など、誰を呼ぶかによって、葬儀の規模は変わる。夫を急に亡くした妻に最も多いのが「葬儀に誰を呼んだらいいのかわからない」という悩みだ。

「誰に声をかけるかがわかっていれば、葬儀場の規模感をつかむことができ、寒い中に参列者を待たせてしまったり、逆に寂しい式になったりすることを防げます。友人や仕事関係などの連絡先を夫に共有してもらい、葬儀に誰を呼んでほしいかを確認しましょう。これを怠ったことで、後で訃報を知った関係者が個別に訪れ、対応に追われて収拾がつかなくなったケースも少なくありません」(吉川さん・以下同)

 遺影に使う写真も、あらかじめ用意しておきたい。

「いまは多くの人が紙の写真ではなく、スマホやパソコンにデータ保存しています。パスワードが解除できなかったり、そもそもどこに保存しているかわからなかったりして困る人が少なくありません。まだ元気なうちに、遺影にする写真を決め、データのありかを共有しておきましょう」

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