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愛犬を咬んだ犬の飼い主と示談交渉 散歩経路の制限は可能か

大切な愛犬が他の犬に噛まれてしまって…(イラスト/大野文彰)

大切な愛犬が他の犬に噛まれてしまって…(イラスト/大野文彰)

 多くの人にとってペットはかけがえのない存在。しかし、ペットを飼う人が多ければ、それだけ飼い主同士のトラブルも増えてくる──。愛犬に関する悩みについて、弁護士の竹下正己氏に回答してもらった。

【相談】
 愛犬のプードルを散歩させていると、大型犬2匹を散歩させている人に会います。先日、そのうちの1匹に愛犬が咬まれ、10針を縫うけがをして2か月も歩けない状態になりました。相手には「2匹一緒に散歩するのをやめてほしい」と頼みましたが、いまだにわが家の横を2匹連れで散歩しています。保険が下りるため治療費の立て替えはしてくれますが、謝罪はありません。保険会社によると、保険会社の示談書にサインが必要とのことです。サインをするときに「うちの近くを犬の散歩で通らない」という条件を付けることはできますか。(愛媛県・39才・主婦)

【回答】
 愛犬が治療中であれば、示談はおすすめしません。示談は事件を一件落着とする手続きですから、示談後の治療費は請求できなくなります。治療が終わっているときのアドバイスは以下の通りです。

 治療費の立て替えをこれから保険でしてもらう場合だと、あなたが「近くを散歩しない」ことを示談の条件(以下「条件」)にしたいと提案して、相手が応じなければ、立替払いは期待できません。そうすると、治療費はあなたがいったん支払った後で、相手に損害賠償請求することになり、面倒です。

 もし相手が治療費を立て替え済みの場合は、保険金が出ないと困るので、この条件付きでも示談に応じるかもしれません。もっとも、散歩しない約束をしたからといって、それだけで公道の散歩をやめさせることはできません。一回違反したら「○○円支払う」などの違約金の特約もして、約束を守らざるを得なくさせる必要があります。しかし、散歩する相手も近所の住民かと思います。まずはあなたの心配や愛犬の怯えをよく説明して、納得してもらうのがいちばんです。

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