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【日本株週間見通し】日経平均は高値圏、今週は27000円台へ挑戦?

 今週の日経平均は、1991年4月以来29年ぶりとなる27000円台挑戦が期待される。国内では新型コロナウイルスの1日当たり新規感染者数が全国で3200人超と過去最多を更新したほか、海外ではマクロン仏大統領が感染と感染拡大による経済停滞の懸念は強まっている。米国の週次失業保険申請者数の増加をきっかけとした為替の円高、英国とEU(欧州連合)の通商交渉の停滞などへの警戒感は引き続き強い。

 こうした中でも12月第3週の日経平均は、上限26800円台、下限26600円台の狭いレンジでの往来相場に終始している。12月に入り26800円台の上値壁が意識されているものの、日経平均は12月のメジャーSQ(特別清算指数)値26713.47円を上回って推移しており、下値の堅さも強く意識され、売り仕掛け的な動きは限られてきそうだ。

 FDA(米食品医薬品局)によるモデルナのワクチン承認、国内ではファイザーのワクチン承認と、新型コロナワクチン接種のスケジュールも具体的に進展している。日経平均は新型コロナの感染拡大や為替の円高に大きく下振れを起こすことなく「打たれ強さ」が強まっている。

 米国市場は18日のSQ(特別清算指数)と21日にテスラがS&P500種株価指数の構成銘柄に新規採用されることで需給面では大きなトピックスを通過する。そして、年内に9000億ドル規模(約93兆円)の米追加経済対策が上下両院で法案が可決される可能性が高まっており、これが実現すると日経平均は27000円台乗せに挑戦する上放れが期待される。日経平均が26000円台で膠着感を強める中で、物色の流れはバリュー(割安)、グロース(成長)に偏らない循環物色が展開され始め、これが継続することになりそうだ。

 17日には、トヨタ自動車<7203>が2月の年初来高値8026円を更新して8000円台乗せ、ソニー<6758>が19年ぶりに1万円の大台に乗せた18日も続騰したことで市場のムードを好転させた。また、高値もみあいを上放れた任天堂<7974>が週間で12%を超える大幅高をみて、2007年11月にマークした上場来高値73200円が意識される展開となるなど、日本を代表する企業の株価にシンボリックな動きが出てきていることが物色意欲を刺激している。

 一方、15日から再開されたIPO(新規上場)は、相対的に活況だ。翌週は連日で合計12銘柄のIPOが控えている。ただ、年末を控えていることもあり、利益確定売りを急ぐ動きも加味されてIPO周辺株は荒い値動きとなることが予想される。全般は市場参加者の減少からくる商いの後退も予想され、個別株物色が高まってくる地合いが形成される。

 このほか、翌週は21日に西松屋チェーン<7545>、24日に自転車チェーンのあさひ<3333>、24日に出前館<2484>、25日にニトリホールディングス<9843>、高島屋<8233>と小売業を中心とする決算発表が予定されている。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、23日に10月28・29日の日銀金融政策決定会合議事録公表、24日に11月企業向けサービス価格指数、25日に11月失業率・有効求人倍率、11月商業動態統計が発表される予定だ。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、21日に米電気自動車メーカーのテスラがS&P500種株価指数の構成銘柄に新規採用、22日に米7-9月期GDP確報値、米11月中古住宅販売件数、23日に米11月個人所得・個人支出、米11月新築住宅販売件数、米10月FHFA住宅価格指数、米11月耐久財受注の発表が予定され、24日はクリスマス・イブのため米英など短縮取引、25日はクリスマスのため米英などが休場となる。

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