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【日本株週間見通し】日経平均はコロナ変異と国内外の感染状況をにらみ膠着か

 今週の日経平均は、新型コロナウイルスの変異問題と国内外における感染状況をにらんで膠着感が強い相場展開となりそうだ。テクニカル的には、上昇する日経平均の25日移動平均線と下降している5日移動平均線の乖離が狭まってきている。5日移動平均が25日移動平均線を割り込んでくるようだと、地合いの悪化が意識されてきそうだ。ただ、22日、23日と日経平均はこの25日移動平均線を割り込む場面では下げ渋る動きを発揮した。下値抵抗力は維持している。

 一方、需給は変化を見せてくる可能性がある。投資主別売買動向で、12月第3週(14日から18日)の海外投資家は7週連続の買い越しを維持した。例年、クリスマスを終えた翌週の東証1部の出来高は細る傾向があるが、クリスマス休暇を終えた海外投資家の動きにアクションが出るかもしれない。

 全般は、日銀のETF(上場投資信託)買いが下値を支えており、年末にかけての一段高、「掉尾の一振」を期待するムードが高まりやすい。なお、2020年の日経平均は2年連続での年間足陽線となることは確定的で、大納会の大引水準が注目される。

 物色的には立会日数が3日間に限られることから、物色の方向性は見出しにくく、個別株物色が主体となるだろう。28日、29日もIPOが1銘柄ずつある。また、直近のマザーズの売買代金上位は直近IPO銘柄で占められ、全般の商いが減少する中では、これらIPO銘柄に短期筋の値幅取り狙いの資金集中が継続することが見込まれる。

 このほか、2050年の脱炭素社会の実現に向けた日本政府の政策が報じられたことを受けて、「環境関連」を中心とした個別物色が高まるなど、国策に沿ったテーマ物色も続きやすいだろう。

 一方、東京市場の年末年始の休場は31日から1月3日までの4日間にとどまり、年明け4日の大発会から8日までの日経平均は、米国をはじめとする海外市場の水準と新型コロナウイルスの感染動向に影響を受けることになりそうだ。2020年、2019年と2年連続で日経平均は大幅安の波乱のスタートだったが、その後は荒い値動きとなっている。

 年明け5日に米12月ISM製造業景況指数、7日に米11月貿易収支、8日に米12月雇用統計の発表が控えているほか、9日から東京市場は3連休となることから模様眺めムードとなりやすい。

 今週と年明け1月8日までの主な国内経済関連スケジュールは、12月28日に12月17・18日開催の日銀金融政策決定会合「主な意見」、11月鉱工業生産速報値、12月末の配当・優待権利付き最終売買日、「Go Toトラベル」全国一斉一時停止、30日に東証大納会、年が替わり1月1日に日英EPA発効予定、改正育児・介護休業法などが施行、4日に東証大発会、7日に12月マネタリーベース、11月毎月勤労統計調査、8日に11月景気先行指数(CI)速報値、11月全世帯家計調査・消費支出が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールは、12月28日にボクシングデー(振替休日)で英・豪は休場、29日に米10月S&PコアロジックCS住宅価格指数、30日に米12月シカゴ購買部協会景気指数、31日に米前週分新規失業保険申請件数、中国12月コンポジットPMI、中国12月製造業PMI・非製造業PMI、英国のEU離脱移行期間が終了。

 年明け1月1日はニューイヤーで米国など主要市場休場、4日に米・EU12月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値、5日に米12月ISM製造業景況指数、6日に米12月ADP雇用統計、米11月製造業新規受注、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨、7日に米12月ISM非製造業景況指数、米11月貿易収支、米前週分新規失業保険申請件数、EU11月小売売上高、EU12月消費者物価指数、8日に米12月雇用統計が予定されている。

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