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医師免許があっても医者として働いていない人たち それぞれの事情

医師免許を持つ人にもそれぞれの人生があるようで…(イメージ)

医師免許を持つ人にもそれぞれの人生があるようで…(イメージ)

 2月も終わりに近づき、大学受験シーズンもまもなく終了。大学受験の人気には時代ごとに流行があるが、安定して高い人気を誇るのが医学部だ。病で苦しんでいる人を助けるという使命感に加え、社会的ステータスも高く、収入も高いのが医者という職業。しかし世の中には医師免許を取得していながら、医者として働いていない人もいる。いったいどんな事情があるのだろうか?

 現在、神奈川県川崎市に住むKさん(40代/女性)は、現在、主婦として暮らしている。近畿地方で開業医を営む父を持つKさんは、2人姉妹の長女。父の希望は男の子に家を継がせることだったが、女の子しか生まれなかったため、Kさんが医者の道に進んだ。Kさんは現役で大学に合格し、20代半ばで東京の大学病院で医師デビュー、30歳で結婚した。

「夫は製薬会社勤務で、病院に出入りしていて知り合いました。父は私に医者と結婚して欲しかったようでしたが、そこまで口出しされる筋合いはありません。父はたびたび『病院を継がないか?』『このままでは病院を畳むことになる』と言っていましたが、地元に帰るなら夫は仕事を辞めなくてはいけません。頑なに拒否したため、実家との関係は最悪でした」(Kさん)

 妹が医者と結婚すれば八方丸く収まるが、そこまで周囲の思い通りにはならないもの。妹が医者とは無関係の自営業の男性と結婚してしまうと、父親のイライラは募り、家族関係は崩壊しかけた。だが、Kさんの息子が状況を一変させる。

「結婚数年後に男の子が生まれました。その頃は父も、私が病院を継ぐことを諦めていましたが、息子が中学に入り、医者という仕事に興味を持つようになると、父は俄然はりきり、『この子を医者にする!』と言い始めました。私も、父の病院を継がないことには後ろめたい思いがあったので、仕事を辞めて、息子のサポートに回ることにしました」(同)

 父は孫が医学部に進んだ折には金銭援助することを約束し、夫も息子が夢に向かって進むことには大賛成。夫の会社は超大企業で生活も安定していることもあって、Kさんは医師をやめて家庭に入ることを決断、今では家事や息子の塾の送り迎えなどに忙しい日々を送っている。

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