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医学部受験で女性不利は“常識”? 「受験における男女格差」の現状

医学部受験で女性が不利なのは“常識”だった?(イメージ)

 東京医科大学が、入試で女性の受験者の点数を一律に減点していたことが分かり、林芳正文部科学大臣も「対応を検討したい」と述べるなど、波紋は広がっている。公正であるべき入試において、男女差別が行われていたことに、女性のみならず男性からも怒りの声が上がっているが、医学部受験で女性が不利になることは、関係者の間ではなかば“常識”なのだという。受験事情に詳しいフリーライターが語る。

「文部科学省が公表している学校基本調査では、入学志願者に対する入学者の割合を確認することができますが、理学部や工学部では男女差がないのに、医学部だけは女子が1ポイント近く低くなっており、かねてより“女子の不利”は囁かれてきました。『女子と多浪生は不利』というのが、医学部受験者の“定説”です。

 多浪生とは違いますが、大学受験関係者の間で有名なのが、2005年に群馬医大を受験した55歳の主婦のケースです。その主婦は、筆記試験で合格ラインに達していたにも関わらず、不合格とされたため大学を訴えましたが、認められませんでした。事実上、年齢を理由に落とされたようなものです。

 ただし女子や多浪生が不利になるのは、学校側の裁量が入る余地がある面接だけだと思われてきました。まさかペーパー試験で一律減点していたとは、大きな驚きです」

 男性を優遇したのは、女性は将来的に結婚や出産などにより離職する可能性が高いことを懸念したものと思われるが、アンフェアというほかない。しかし現実には、男女を分けて考えないと、学校が回らない状況になることもあるという。十数年前に女子校から共学になった関東地方の私立中学の職員がいう。

「共学化にしてから数年間、筆記試験の上位からそのまま合格させていくと、圧倒的に女子のほうが多くなってしまいました。校長以下教職員一同は、当初、試験の結果だから仕方ないとしていましたが、圧倒的に女子が多いためか、男子にまるで活気が無くなり、教室の隅っこに固まるような状況に。それで、ある年から男女比に差が付きすぎないように調整することを発表しました」

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