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「生産緑地の2022年問題」 世田谷、練馬、江戸川の地価下落も懸念

2021年6月6日 7:00

2022年の「生産緑地指定解除」の不動産価格への影響は?(時事通信フォト)
2022年の「生産緑地指定解除」の不動産価格への影響は?(時事通信フォト)

 もしも今後、自宅の売却を検討するというならば、「生産緑地の2022年問題」に注目したい。近年、不動産業界を中心に懸念されている問題で、2022年以降、全国の大都市圏にある「生産緑地(=農地)」が大量に売りに出され「不動産価格に影響するのではないか」と言われるものだ。

 1992年施行の「生産緑地法」で東京23区など大都市圏の市街化区域内の農地が「生産緑地」として指定された。土地の所有者は農業を続ける(農地として管理。実際には耕作の実態がない土地も多い)ことで固定資産税や相続税など税制面の優遇を受けることができたが、同法では「生産緑地」指定から30年が経過したり、所有者の死亡により農業を続ける者がいない、あるいは農地として買い取りを希望する営農者が現われない場合に生産緑地指定が解除される。国土交通省によると、全国の「生産緑地」は合計1万2100ヘクタール(2019年12月31日現在)あるという。

 同法施行から30年となる2022年以降、これらの「生産緑地」が宅地として売却され、大都市圏の大量の土地が市場に出回るのではないかと予想されているのだ。都内在住で自宅を売却するか迷っているという60代男性が話す。

「不動産業者の担当と話したら、“23区内で生産緑地が多いのは世田谷区や練馬区、江戸川区。そのエリアでは2022年以降、生産緑地が売りに出される影響で住宅価格が下がる懸念がある”と言われました。うちは世田谷区だから、“売り時は2022年までだと思いますから早く検討を進めたほうがいい”と急かされましたね」

 本当にそんな事態が起こるのか。不動産ジャーナリストの榊淳司氏はこう指摘する。

「生産緑地法の期限は確かに2022年ですが、2017年の法改正により一定の条件を満たす農地を『特定生産緑地』として指定できることになり、税制優遇措置が10年延長して受けられることになりました。そうなると、2022年を境にマンションや戸建ての用地が一気に市場に出てくるとは考えにくい。不動産価格の暴落ではなく、中長期的な下落圧力になる、と考えるほうが良いでしょう。

 むしろ、2023年4月の黒田日銀総裁の任期満了に伴う異次元緩和終了のほうが大きな下落圧力になると考えられる」

“売り時”を煽る業者のセールストークにも要注意だ。

※週刊ポスト2021年6月11日号

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