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憧れの正社員になったけど…「バイト時代より収入減った」27歳女性の苦悩

正社員になんか、なるんじゃなかった?(イメージ)

正社員になんか、なるんじゃなかった?(イメージ)

 かつて日本企業では終身雇用が当たり前で、定年まで正社員として勤務する人が大多数だった。その慣習は今や薄れつつあるものの、非正規社員などと比べると、正社員の方が「安定」「高給」「社会的信用がある」といったイメージは根強く残っている。だが、実際に正社員になったものの、それまで思い描いていた“正社員像”とは大きく異なる現実を目の当たりにして苦しんでいる人もいるようだ。いったいどういうことなのか。

 現在、制作会社で働くAさん(女性/27歳)は、以前は都内の会社のテレフォンアポインターのアルバイトスタッフとして時給1500円で働いていた。正社員になったのは、60代の親から耳にタコができるほど聞かされてきた、ある言葉が頭にあったからだった。

「両親から『女の子だって非正規ではろくな人生は歩めない。真っ当に生きたいなら正社員になりなさい』と1週間に1回くらい言われていました。個人的には、いろいろな働き方があっていいと思っていましたが、当時は大学卒業してから3年くらい経っていたこともあり、確かにちゃんと正社員になるべきかもしれないと思いました。実際、正社員という響きにも憧れがありましたし」(Aさん)

 クリエイティブな仕事に就きたかったAさん。正社員になるなら好きなことをしようと、未経験ながらデザイナーやディレクター職のある企業や制作会社をいくつか受けたところ、すんなり1社に内定することができた。

「年俸280万円スタートの制作会社でした。年俸には固定残業代を含んでおり、残業代は基本的に出ません。入社前はそのことをあまり深刻に考えていなくて、入社後は正直、失敗したと思いました。また、上司が雑務を丸投げしてくることが頻発するので、退社は21時から22時が当たり前。複数の取引先の締め切りに追われる時は、会社に泊まることもあります。

 できるなら会社近くに1人暮らしをしたかったのですが、今の収入と天秤にかけるとそれも厳しい。結局、バイト時代よりも美容室や化粧品のランクも下げて節約してお金を貯めているのが現状です。時給換算したら、アルバイトのほうが良かった気がしています……」(Aさん)

 アルバイト時代、月額で計算すれば約24万円+インセンティブとして月5万円以上は稼いでいたというAさん。ここで3年間がんばってキャリアを積んで、他社の正社員に転職するか、早急にアルバイトに戻るか検討中だそうだ。

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