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短大2年女子「入学から卒業までずっとコロナ禍」で辿り着いた諦観

休み時間でも、教室は基本的にシーンとしているという(イメージ)

休み時間でも、教室は基本的にシーンとしているという(イメージ)

 コロナ禍が本格的に始まったのは2020年のこと。2020年度入学の大学生には、それぞれが想像していたキャンパスライフとは程遠い生活が待ち受けていた。授業はオンラインで行われ、サークル活動もままならず、いまだに新しい友達ができないという人もいるようだ。入学から1年半が経ちようやく感染者数も減少しはじめ、これからは大学生らしい生活が送れるようになるかもしれないが、気の毒なのは2年で学生生活を終える短大生たちだ。

 都内に住むKさん(20才)は、昨年4月、短大に入学。すでに2年生になり、コロナ禍が学生生活を直撃したまま卒業することになりそうだ。

「コロナが本格的に騒がれ始めたのは、高校の卒業式直前のことでした。卒業式は何とか開催されましたが、短大の入学式は中止。私は地方出身なのでアパートを借りましたが、ようやく授業がスタートしたのは5月半ばで、しかもオンライン。キャンパスに一度も行かないままどんどんと時間が過ぎ、対面授業が解禁となって、初めて大学に行ったのは7月のことでした」(Kさん。以下「」内同)

 学生生活は2年しかないのに、1年生の前期は事実上何もしないまま終わってしまい、「ほとんど家にいたので、東京にいる意味もなかった」と振り返るKさん。友達もいない上、東京の地理も分からないので、ひたすらアパートでテレビやスマホ、パソコンを見ていたという。後期に入ると、大学側も色々と対策に乗り出したが、学生に告げられたコロナ対策のお知らせの内容に、Kさんは深いため息をついた。

「夏休みを過ぎると少しずつ対面授業が始まりましたが、登校日は通学前に検温し、健康チェックシートを提出。これを忘れるとキャンパスに入れません。大学は駅から離れており、バスを使うしかありませんが、無料のスクールバスは乗車人数に制限があって、毎朝のように大行列。授業に間に合わないので、ものすごく早く家を出ています。駅からは路線バスもありますが、有料なので利用する人はほとんどいません」

 Kさんが通う短大があるのは東京都内でも郊外の山の中。大学の最寄り駅に自転車を置き、大学までそれで通うことも真剣に考えたが、実習で使う荷物が多く、アップダウンも激しいので断念したという。とはいえもちろん、すべての授業が対面になっているわけではない。

「大学は可能な限りオンラインで授業をやりたいようで、実習系なのにオンラインのものもあります。できれば実習の講義は教室で受けたかったですが、『オンラインでも対面授業と同等の教育効果が得られている』のだとか。オンライン受講の環境を整える際も、『家族の協力と理解を得て、速やかに準備するように』と言われただけで、大学からのフォローやサポートは一切ありませんでした」

 就職相談もオンラインが中心だが、これがまた一苦労。予約受付が始まる日は、パソコンの前に時計を置き、受付開始と同時に予約ボタンを連打するものの、それでも予約が取れなかったこともあったという。

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