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異色経歴のバルミューダ社長 倒産危機を乗り越え「新・長者番付」入り

家電メーカーのバルミューダ社長・寺尾玄氏(時事通信フォト)

家電メーカーのバルミューダ社長・寺尾玄氏(時事通信フォト)

 かつて国税庁が発表していた「長者番付」は、所得税額1000万円を超える納税者の名簿を公示する制度で、これに基づいて高額納税者の順位が明らかになった。著名人などのランキングも作成されたが、個人情報保護や犯罪抑止などの観点から2005年(2004年分)の発表を最後に長者番付は廃止された。

 では、現代の富裕層はどんな人たちなのか。『経済界』編集局長の関慎夫氏がその定義を語る。

「有価証券報告書に記載される1億円以上の報酬があった人が、高額所得者としてよく報じられます。しかしそれはあくまで企業からもらう報酬といういわば“給料”にすぎず、多額の税金もかかります。実質的な資産を推し量るには、保有する『株式』と、その『時価総額』を見るのが世界的な潮流です」

 そこで上場企業約4000社の決算書や大株主の情報などを整理する企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」の協力のもと、上場企業の有価証券報告書から個人の大株主を抽出、保有株の時価総額の上位100人をランキングにした。トップに輝くのは、4.9兆円でソフトバンクグループ社長・孫正義氏。2.4兆円で2位につけたのは、ファーストリテイリング社長・柳井正氏だった。

 2000年代に入ってから活躍した起業家もランクインした。82位のRIZAPグループ社長・瀬戸健氏が同社の前身企業を立ち上げたのは2003年。インパクトのあるCMを武器にダイエット事業で財を築いた。CMに出演した経済アナリストの森永卓郎氏が語る。

「糖尿病を患っていた私のCM起用に慎重な声もありましたが、お会いした瀬戸社長の『大丈夫です』という鶴の一声で出演が決まりました。ライザップのトレーニングと食事指導で健康を取り戻したので瀬戸社長には深く感謝しています」

 異色の経歴を持つのが、家電メーカーのバルミューダ社長・寺尾玄氏(99位)。高校中退後に地中海沿いの国々を放浪し、プロのロックバンドの道が断たれたのちにバルミューダを創業した。

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