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【日本株週間見通し】日経平均は下値を固める展開となるか

 一方、FOMC議事録の公表、相次ぐ高官のタカ派発言を受けて、金融引き締めに対する織り込みが相当程度進んできたことも事実だろう。新年度相場入りした海外投資家のポートフォリオ見直しが一巡してきたことや、年金など利回りの絶対水準から債券買いを行う向きの存在もあり、長期金利も上述した通りいったんはピークアウトしている。グロース株の中には年明け以降に既に4割前後も株価が下落している銘柄も多く、さすがにここからの一段の大きな下落は想定しにくい。3月FOMCが近づく頃には再び金利が上値を試す展開も想定されるが、日米ともに決算シーズンに入ることもあり、金利を巡る過度な動きはいったん一服すると予想する。

 一方、FOMCに隠れてほとんど話題にならない日銀金融政策決定会合が17日から開催されるが、今回は注目したい。週末、東京市場では株式全般が大きく売り込まれたが、その背景には、FRBのタカ派を嫌気した前の日の米ハイテク株安だけでなく、日銀がインフレ目標2%を達成する前に利上げ開始できるか議論しているなどと報じられたことも影響したとみられる。海外に比べてインフレには程遠い日本でも利上げ議論となると、ネガティブサプライズであり、これが売りに拍車をかけた面もあろう。このため、今回の金融政策決定会合には注目したい。

 他方、個別では引き続き半導体に注目。台湾積体電路製造(TSMC)が13日に発表した決算は市場予想を上回ったほか、2022年の設備投資計画は昨年を大幅に上回る規模となった。半導体の需給逼迫は今年いっぱい続くとの声も多く、こうした半導体の強気の見通しをサポートする内容といえよう。年明け以降、多くのハイテク・グロースが急落した中でも、東京エレクトロン<8035>やSCREENHD<7735>などの関連株は上昇トレンドを継続しており、かなりの底堅さも見せている。目先のグロース売り一巡の流れのなかで、半導体関連は引き続き押し目を狙いたい。

 また、同様に強い実需を背景にトヨタ自動車<7203>やデンソー<6902>などの電気自動車(EV)関連の強さも際立つ。金利上昇一服による円高・ドル安への揺り戻しも起きているが、こちらも押し目は強気で臨みたいところだ。逆に景気敏感・バリュー株への資金流入は目先は一服するとみられ、上値追いには慎重になりたい。

 今週は17日に日銀金融政策決定会合(~18日)、11月機械受注、中国10-12月期GDP、中国12月鉱工業生産、中国12月小売売上高、18日に黒田日銀総裁会見、米1月ニューヨーク連銀景気指数、19日に米12月住宅着工件数、20日に12月貿易収支、米1月フィラデルフィア連銀景気指数、米12月中古住宅販売、21日に日銀金融政策決定会合議事要旨(21年12月開催分)、12月全国消費者物価指数などが発表予定。

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