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「所在不明高齢者」の相続トラブルが増加 相続登記の義務化で問題噴出懸念

「所在不明高齢者」が原因の相続トラブルは再来年に急増する?(イメージ)

「所在不明高齢者」が原因の相続トラブルは再来年に急増する?(イメージ)

 現在の「国内最高齢者」は大阪府在住の115歳女性・巽フサさんと発表されている。ところが、その年齢を上回る“120歳以上の所在不明者”の存在が次々と明らかになり、「相続の手続き」を複雑にしているという。

 実際には亡くなっていても、死亡届が提出されておらず、戸籍上は生きていることになっている「所在不明高齢者」が存在する。そして、もし家族が亡くなった時に故人が遺言書を残していない場合、その「所在不明高齢者」に相続の権利があれば、手続きを進めることができないのだ。

「所在不明高齢者」の問題を解決するには、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることとなる。失踪宣告(普通失踪)とは、生死不明の者を法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度で、所在不明が7年以上続く人などが対象となる。

 しかし、ある人物を“法律上は死んでいる”とみなす手続きだけに、失踪宣告には手間がかかるという。『トラブル事例で学ぶ 失敗しない相続対策』の著書がある相続コンサルタントの吉澤諭氏が説明する。

「失踪宣告の申し立てには、警察への『行方不明届』や当人から来た手紙、いつまで連絡があったかなどの経緯、戸籍の附票や住民票の追跡状況などの調査資料を添えなくてはならない。家庭裁判所に申し立てをしてもすぐに宣告されるわけではなく、できる限りの調査を行なったうえで申し立てなければならないのです。お金も時間もかかります。

 申し立てた後は、家裁の調査員が調査を進め、『不明者が生存している場合は届け出るように』と官報に掲載するなどして、失踪から7年経過した時点で宣告が出されます。申し立ててから宣告まで相当時間がかかると思ってください」

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