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日本人は世界でも類を見ない“寄付ぎらい” 他人のためにお金を使う幸せの意味とは

日本人の寄付総額は他国に比べると圧倒的に少ない(イメージ)

日本人の寄付総額は他国に比べると圧倒的に少ない(イメージ)

 山口県阿武町の臨時給付金4630万円振り込みミス事件について、「もし自分の手元に、あれほどの大金が入ってきたら……」と考えた人も多いのではないだろうか。宝くじが当たる。遠い親戚の遺産が転がり込む。持っていた株やビットコインが高騰する。万馬券を的中させる──世の中には、ある日突然、大金を手にする人が、少なからずいる。

 もし目の前に、自由に使える5000万円があっても、それを「使っただけの価値が生じる金銭=生き金」にできなければかえって不幸になる。それはつまり、いま手元にあるお金を「生き金」にすれば、金額が少なくても、人生を豊かにすることができるということだ。

 40代で2億円の資産を築いた個人投資家で『攻めの節約』の著者である生方正さんは、「モノ」ではなく「コト」にお金を使うべきだと話す。

「いまや、モノはインターネットを介して、世界中のどこからでも買うことができます。一方で、“体験”は、その場所に身を置かないと味わえません。私は20代の頃“革製品を安く買える”というモノ消費を目的に、初めて海外に行きました。ところが、実際は、現地の人との出会いや異文化体験の方が財産になったことに気づいた。いまの私があるのは、この旅行での経験のおかげだと感じています」

 旅行はコト消費の代表だ。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは、20代後半で会社を辞めた後、コツコツ貯めていたお金を使って世界一周旅行に出かけた。

「数か月かけて、ひとりで世界をめぐりました。このときの荷物は、3泊4日くらいの旅行で使うような、小さなキャリーケース1つだけ。必要なものはすべて現地で調達し、不要だと感じたものはすべて処分していたら“生きていくために必要なモノは、ほんのわずかしかない”ということに気づきました。

 その後40代でがんを発症し、5年生存率が50%と宣告されました。このとき、“あと5年しか生きられないなら、老後資金を使い切って、今度は家族と世界一周旅行に出かけたい”と思ったのです」(黒田さん)

「生き金」を使うと、人生を変えるほどの体験を得られることもあるのだ。

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