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義親を介護した嫁への「特別寄与料」 認定への“高い壁”を越えるために必要なもの

相場は「1日8000円」

「特別寄与料」がない時代から、介護や看護で親の面倒をみた相続人が相続時の分け前を多くしてもらうことが、「寄与分」の制度で認められていた。

 ただし寄与分が認められるのは、親の看護や介護などのほかその事業を手伝い、財産を提供するなどして被相続人の「財産の維持や増加」に貢献した「相続人」に限られている。

 そのため、例えば長男の嫁が義親の介護に貢献した場合は、“長男の寄与分”として考慮されるのが一般的で、夫(長男)の死後に嫁ぎ先の親を妻が介護した場合には、寄与分の対象にはならない。そこを制度上で救済しようとするのが、「特別寄与料」だ。つまり、請求が認められるかの線引きも、寄与分に準じる。

 寄与分の具体的な算定基準はあるのか。相続手続カウンセラー協会代表の米田貴虎氏が言う。

「介護を理由に寄与分の調停を家庭裁判所に申し立てた場合、最低でも要介護度2以上が条件で、金額は1日8000円が相場と言われます。調停の前に遺産分割協議のなかで話し合われる場合も、そのような基準でまず計算して、遺産のなかから払えるかどうかを検討するのが一般的な流れです」

 だが、この寄与分が家裁で認められるケースは「めったにない」という。前出・武内氏が語る。

「審判でまず重視されるのは、『対価関係があるかどうか』。金銭的な対価を得ていたかどうかにかかわらず、同居していた場合は『家賃がタダ』という居住利益が指摘されます。絶対に認められないわけではありませんが、相当ハードルが高くなります。生活費に親の年金があてられていたら、まず認められません」

 そもそも前提として、遺産分割協議の段階で功績が認められていれば、家裁に寄与分請求の申し立てをすることもない。

「普通は『夫婦でよく尽くしてくれたから、×万円多く払うね』となる。分割協議の際に兄弟らが認めてくれて話し合いが済めば、弁護士を立てて申請するまでもない制度です」(米田氏)

 つまり、家裁に寄与分の請求を訴えるということは、すでに“もめている”状態を意味するわけだ。

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