藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

「最初は利益が出ていたのに…」初心者が投資で失敗してしまう3つの理由

初心者が投資で失敗するのには3つの理由がある

初心者が投資で失敗するのには3つの理由がある

 コロナ後に投資を始めて上昇相場を体験したものの、2021年後半からの株価下落に見舞われ、どう続けてよいのかわからなくなっている投資初心者も多いかもしれない。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第3回は、「投資で失敗しやすい3つの理由とその解決策」。

 * * *
 2020年、誰も予想していなかった未知のウイルス感染拡大の影響もあって世界中の株価が暴落しました。当時、株式を保有していた投資家は、阿鼻叫喚。感染症の影響はどれほどなのか、いつまで続くのか、毎日のように増え続ける感染者数を見ると、世界が終わるかのような気すらしました。

 ところが、その後、相変わらずコロナ感染者は増加しているのにも関わらず、株価はみるみる上昇。2020年3月に暴落した株価は、同年の11月には暴落前の水準まで回復し、その後もさらに上昇。2021年9月には、日経平均株価は、なんと1990年以来の3万円超えとなりました。もちろん、日本株だけではありません。世界中の株価が暴騰し、とくにGAFAM(Google、Amazon、Facebook(現Meta)、Apple、Microsoft)と呼ばれるアメリカの巨大IT企業の株価上昇は半端ない勢いでした。

「簡単に儲けられそう」という幻想

 コロナによって経済活動が制限されている中、投資家の懐が潤う様子を見せつけられると、今まで投資をしたことない人も、投資をしたくなります。「誰々さんが、アマゾンの株を買って、いくら儲けたらしい!」なんて話を聞くと、いても立ってもいられません。わたしにだってできるはず!と鼻息荒く株式投資を始めた人もいたのではないでしょうか? 実際、2020年、2021年の前半までは、とりあえず何を買ってもそれなりに利益が出せましたので、にわかデビューの投資家さんも、「案外自分やるな」と思ったことでしょう。

 しかし、そんな甘い時間は長く続きません。2021年の後半から、株式市場は崩れはじめました。それまでなら、多少下がっても、またすぐ上昇に転じたので、買ったまま放置でよかったのですが、今回はダラダラと終わらない坂道のように下落し続けています。実際、2022年の上半期は世界でいちばん有名な株価指数のNYダウは14%下落、ハイテク株で構成されているNASDAQ指数においては28%下落と目も当てられない状態です(2022年6月末時点)。上げ相場しか体験したことない投資家さんは、今の下落相場でお財布もメンタルも相当にダメージを受けたと思われます。

 株式相場が活況なときは、メディアでも特集など組まれますし、そこに登場する投資家さんたちは大成功している人たちばかりなので、簡単に大儲けできそうに感じてしまいます。しかしそれは投資のほんの一面に過ぎません。誰でもイージーに勝ち続けられるなら、世の中の全ての人が投資をしているはずなのです。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。