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【日本株週間見通し】今週は一進一退か 主要企業の決算に注目

 今週は国内では20日に日本電産<6594>の決算が予定されている。電気自動車(EV)関連株への波及効果も大きく、内容が注目される。製造業決算として先んじて第1四半期(3-5月)決算を発表している安川電機<6506>は、受注の好調は引き続き確認されたものの、収益実績の市場予想下振れが素直に嫌気され、その後の株価は大きく下落した。景気後退懸念が強まるなか、製造業に対する投資家の目線は厳しいとみられ、ハードルは高いだろう。

 米国では週前半にゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカの金融大手の決算がある。先週発表されたJPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーの決算はともに低調なものとなり、貸倒引当金の積み増しなどが重荷となった。JPモルガンの最高経営責任者(CEO)ジェイミー・ダイモン氏は企業や個人の堅調さを強調した一方、世界経済の先行きに対する警戒感も引き続き示唆した。金融大手の決算が引き続き冴えないものとなれば、景気後退懸念は深まるばかりで、相場の重荷になるだろう。

 また、週半ばにかけては動画配信のネットフリックス、EVメーカーのテスラも決算発表を行う。景気後退懸念に伴い、米10年債利回りは3%を下回った推移を続けており、足元では景気敏感株に対してのグロース(成長)株の株価パフォーマンスが良好だ。

 ただ、ネットフリックスは前回決算の際に会員数の減少を発表。成長期待のはく落により株価が急落し、投資家センチメントを大いに冷やした。今回も同様に低調な決算となれば、足元で台頭しているグロース株の復調に冷や水を浴びせることになる。また、テスラについては、中国上海市での行動制限による影響や部品確保の問題から、5月に入ってからは減産を行っているとの報道が出ていた。中国経済は緩やかながら回復に向かっているため、今後の生産計画に大きな遅れは生じないと考えられるが、4-6月期の生産台数が大きく下振れると、株価の割高感が強い銘柄であるだけに相場への影響が気掛かりだ。

 21日には欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が開催予定で、金融引き締めの強化についての方針が注目される。利上げペースの加速などが示唆されると相場は神経質に反応する恐れがある。また、欧州ではロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプラインが定期検査で供給を止められているが、この定期検査の期限が同日21日とされている。デッドラインを迎えるこの日以降も供給停止が続けられるとなると、欧州のエネルギー価格を更に高騰させ、世界的なインフレ懸念の再燃や一層の景気後退懸念に繋がりかねないため、注意が必要だ。

 ほか、21日に発表予定の米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数も注目。5月、6月と2カ月連続で大きく悪化し、市場予想も下回っており、6月にはマイナスに転じている。7月もマイナスとなると、景気後退懸念が一段と強まりかねないため、警戒しておきたい。

 なお、今週は18日に米7月NAHB 住宅市場指数、19日に米6月住宅着工件数、20日に日銀金融政策決定会合(~21日)、米6月中古住宅販売、21日に黒田日銀総裁会見、6月貿易収支、ECB定例理事会、米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、22日に6月全国消費者物価などが発表予定。

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