藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

金融庁も太鼓判!普通の人でもできる投資の王道「長期・分散・積立」のメリット

「長期・分散・積立」が投資の王道と言われるワケは?

「長期・分散・積立」が投資の王道と言われるワケは?

「貯蓄から投資へ」という言葉で政府が資産形成を推進しているなかで、金融庁が安定的な資産形成の方法として発信しているのが「長期・分散・積立」だ。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第4回は、「投資の王道“長期・分散・積立”のメリット」について。

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 前回は、投資はむずかしく、多くの人が失敗してしまう理由をお話ししました。それでも、政府は「貯蓄から投資へ」と何年も前から訴えています。そんな難しいことを国民に強いるなんて酷い!と思うかもしれませんね。そもそも政府が投資を推進する理由は、わたしたち国民が老後の資産を自助努力で形成するためです。とはいえ、ほとんどの人が投資に失敗してしまうと、日本の未来は目も当てられません。当然、それなりの勝率を見込んで投資を後押ししているはずです。

 金融庁は、国民の安定的な資産形成を促進するために、いろいろな情報発信を行なっています。金融庁のサイトの中にある「投資の基本」というコーナーには、文字通り投資の基本について、とてもわかりやすく紹介されており、わたしたち普通の人がどのように資産形成を行えばよいか参考になります。

 前回の記事でも触れましたが、特別な才能がなくても実行できる投資手法が、金融庁のおすすめする「長期・積立・分散」です。何を買っていいか分からない、どのタイミングで売買すればいいか分からない、勉強する時間がない、あまりたくさんお金を持っていない……など、投資に対するつまずきのほとんどをクリアできるものです。

【長期投資】目先の上げ下げにとらわれず経済成長の波に乗る

 投資商品には値動きがありますので、短期的に見れば投じたお金よりも減ってしまうことがあります。ただ、長期的にみれば上げ下げしながらも右肩上がりに上昇しています。というのも、世界経済は人類に欲望がある限り成長していくと考えられるからです。

 実際、1969年末に「国内株式」「国内債券」「海外株式」「海外債券」にそれぞれ100万円ずつ投資して2021年度末まで保有し続けた結果、国内株式は2528万円(25倍)、国内債券は1256万円(13倍)、海外株式は5391万円(54倍)、海外債券は584万円(6倍)と、すべての資産が大きく増えています。(GPIFサイト参照

長期投資による主な資産の価額推移(1969年12月末に100万円を投資した場合。GPIFサイトより)

長期投資による主な資産の価額推移(1969年12月末に100万円を投資した場合。GPIFサイトより)

 いやいや、長期投資といってもさすがに50年は持ってられないよ、と思った方もご安心ください。2000年末に投資して2021年まで20年間の投資でも、国内株式224万円(2.2倍)、国内債券139万円(1.4倍)、海外株式468万円(4.7倍)、海外債券272万円(2.7倍)とすべて増えています。

長期投資による主な資産の価額推移(2000年12月末に100万円を投資した場合。GPIFサイトより)

長期投資による主な資産の価額推移(2000年12月末に100万円を投資した場合。GPIFサイトより)

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