森口亮「まるわかり市況分析」

S&P500が2年ぶりの安値圏 いつまで・どこまで下がるか、想定しておくべき最悪シナリオ

急激な金利上昇に伴い米国株式市場も低調に

急激な金利上昇に伴い米国株式市場も低調に

 金利上昇や急激なインフレへの景気後退懸念により、米国市場では株価が続落。S&P500種株価指数は2020年11月以来、約2年ぶりの安値を更新している。不安定な世界経済の情勢について、個人投資家・投資系YouTuberの森口亮氏は「過去の金融危機並みの大きな株価下落も想定しておく必要がある」と述べる。それでは、最悪シナリオの場合、どこまで想定しておくべきなのか。森口氏が解説する。

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 まずは気になるニュースを紹介しましょう。2022年9月23日の「Bloomberg」に、以下のようなことが報じられています。

・株や債券から現金に変える動きが急速に進んでおり、特に国債からの資金流出は1920年以来の高水準にある
・投資家のセンチメント(感情)が2008年の金融危機以来で最悪になっていることに「疑いの余地はない」

 つまり、投資家たちがここ10数年においても“最も弱気な状況”にあるということです。先のことを見通すのは簡単ではありませんが、このような状況においては、金融危機並みの大きな株価の下落を想定しておくことが、リスク管理として重要です。

 今回は、過去のアメリカ市場において「金融危機」と呼ばれた3つの下落局面を参考に、S&P500種株価指数(S&P500)における下落率と下落期間の目安を探ってみましょう。そして、現在の下落局面がいつまで続く可能性があるのか、どの程度まで株価が下がる可能性があるのか、過去の事例をもとに考えていきます。

過去の3つの金融危機ではどれだけ下落したか

 新しいところから例に出すと、2008年のリーマンショック時はどうだったでしょうか。リーマンショック直前に高値をつけたのは2007年10月11日であり、その後安値をつけたのは2009年3月6日でした。その期間は約511日(約1年5か月)であり、その間S&P500は57.7%下落しています。

 その前は、2000年のITバブルの崩壊です。ITバブル崩壊直前に高値をつけたのは2000年3月24日で、その後安値をつけたのは2002年10月10日でした。その期間は930日(約2年6か月)で、その間S&P500は50.5%下落しています。

 最後に紹介するのは、1973年のオイルショックです。オイルショック直前の高値は1973年1月11日で、その後安値をつけたのは1974年の10月4日でした。その間の期間は631日(1年9か月)で、その間S&P500は49.9%下落しています。

 ここまで見ると、歴史的な大きな下落局面では、「1年以上にわたって下落が続き、高値から約50%以上となる下げ幅だった」ことがわかります。

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