森口亮「まるわかり市況分析」

S&P500が2年ぶりの安値圏 いつまで・どこまで下がるか、想定しておくべき最悪シナリオ

リスク管理の意識を持つことが肝要

 現時点ではあまり考えたくはないですが、もし先に挙げた3つの金融危機のような大幅な下落局面に至った場合、それがいつまで続き、どこまで安値をつける可能性があるのか、知っておきたいところです。

 現状のS&P500では、下落直前の最高値である4796ポイントを付けたのが2022年1月4日で、現在まで約9か月しか経過していません。高値からの下落率については約24%で(9月28日現在)、過去の金融危機並びに歴史的な下落局面と比較しても、まだその下落幅は“浅い”と言えます。

 もし下落期間が1年5か月~2年6か月程度続くとすれば、2022年1月から始まった下落相場が終わるのは、2023年6月~2024年6月ごろになる可能性があります。そして、今回の高値(4796ポイント)からの下落率が50~60%になるならば、S&P500は2038~2412ポイントまで下落することになります。

 株価には波があるため、下落相場であっても、何度も上昇を期待させるような一時的な上昇を挟みながら下落していくものです。50%以上の下落が起きなかったとしても、「大底」のタイミングを見極めることは困難を極めます。

 大きな「○○ショック」のような相場が来ないことを願うばかりですが、ここで解説したような最悪のシナリオを頭の片隅に置いておくのは投資家として肝要なことです。リスク管理の意識が高まり資産を守ることができるだけでなく、安値付近で株を買える機会をうかがうことにもつながります。

【プロフィール】 森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。

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