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政府税調が標的にする「相続税・贈与税増税」がもたらしかねない“親子断絶”

岸田文雄・首相の諮問機関「政府税制調査会」が真っ先に標的にするのは高齢者の資産(時事通信フォト)

岸田文雄・首相の諮問機関「政府税制調査会」が真っ先に標的にするのは高齢者の資産(時事通信フォト)

 今年は年金生活者など住民税非課税世帯に10万円の「臨時特別給付金」が振り込まれ、この11月には「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」5万円の支給が始まり、来年からは全世帯に電気代が月に約2800円、都市ガス料金が月に約900円、8か月間にわたって補助される予定だ。

 いかにも物価高騰に苦しむ国民への手厚い支援に見えるが、その裏では、もらえる額よりはるかに多くの金額を国民から召し上げる大増税計画が進んでいる。

 議論の舞台となっている岸田首相の諮問機関「政府税制調査会」が真っ先に標的にしたのが高齢者の資産を狙った「相続税・贈与税」の増税だ。

 政府税調の専門家会合は11月8日に年末の税制改正に向けた論点整理を発表し、「高齢世代の資産が、適切な税負担を伴うことなく世代を超えて引き継がれることとなれば、格差の固定化につながりかねない」と税制の見直しを提言した。

 その柱は、生前贈与の非課税枠の撤廃や縮小だ。

 現在、親から子、祖父母から孫などへの「教育資金一括贈与」は1500万円、「結婚・子育て資金一括贈与」は1000万円まで非課税となっている。論点整理ではこれを「廃止する方向で検討することが適当ではないか」と打ち出した。

 もっと影響が大きいのが暦年贈与への課税強化だ。

 子や孫などへの贈与をする際、現在は1人年間110万円までは非課税(基礎控除)だ。妻と2人の子に均等に贈与するなら年間330万円、10年間で3300万円が非課税で贈与できる。ただし、贈与した側が亡くなった場合、3年以内に贈与した分は無効になり、遡って相続税が課せられる。

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