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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

なにかと先代と比較されがちな「2代目社長」の苦労 どうすれば認めてもらえるか

「2代目社長」ならではの気苦労は多いという(イメージ)

「2代目社長」ならではの気苦労は多いという(イメージ)

「2代目社長」というと「親からの基盤があってラクでいいですね」と言われることもあるが、実際には創業者にはない、様々な苦労があるようだ。その代表的なものが、「先代とやたらと比較される」という点である。最近2代目社長と会うことが増えたというネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、気苦労の多い世の2代目社長たちにエールを送る。

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 私は2年前に佐賀県唐津市に移住しましたが、地元の様々な名士と会う機会が増えました。個人商店を経営している人もいれば、大きな会社を経営する人もいますが、将来的に自身の息子・娘に自分の立場を継がせようと考えている人は少なくありません。

 そういう時、「まだまだコイツには難しくてねぇ……」「私の45年のキャリアと、こいつの15年のキャリアでは相手先の信頼感が違ってねぇ……」などと言いながら、「未熟なので、厳しく指導してやってください」と紹介される。

 もちろん謙遜している面もあるとは思うのですが、2代目にしても私のようなその分野の素人から見れば、立派な仕事をしているように見えます。

 漫画『美味しんぼ』第8巻『二代目の腕』という回では、父親が亡くなり、天ぷら店を引き継いだ2代目の苦悩が描かれています。同作に登場する2代目は常連から「親父さんと比べ味が落ちた」と言われ続けるも、自分ではその理由が分からない。主人公・山岡士郎は2代目の天ぷらを食べてその技術は認めます。しかし、こう続けるのです。

「問題は、亡くなった親父さんが名人だったことだよ。名人として崇拝されていた人の後に、同じ程度の天ぷらを出したんでは、低く評価されるということだ」

 これは様々な業種に当てはまるのではないでしょうか。結果的に同作では山岡の指導により「何かを変える」ということで先代を超える策が提示されます。それは「締めのご飯と一緒に出てくる漬物の味を良くする」ということです。常連客は天ぷら段階ではそれほど満足していなかったものの、この漬物により先代を上回ったと評価したわけです。

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