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岸田政権の「増税地獄」は防衛増税だけじゃない 消費増税、退職金増税に発展も

岸田首相が目論む「大増税」カレンダー

岸田首相が目論む「大増税」カレンダー

 政府税制調査会では防衛財源以外にも数々の増税が議論されている。そこで本誌・週刊ポストは2023年からの増税スケジュールを一覧表にまとめた。

 最初の増税項目は令和5年度(2023年度)の税制改正に盛り込まれる「相続税・贈与税」の課税強化だ。

 親から子などに財産を贈与する場合、現在は年間110万円までは贈与税が非課税(基礎控除)だ。妻と子供2人に均等に贈与するケースなら年間330万円、10年間で3300万円まで非課税で贈与できる。相続税の負担を減らすためによく利用されている制度だ。ただし、贈与した側が死亡すると、3年以内に贈与を受けていた分の非課税措置は無効になり、相続した財産と合算して相続税の対象になる。

 今回の税制改正ではこの合算期間が死亡前3年から7年に延長される(2027年以降段階的に延ばし、2031年に7年になる予定)。

 前述の妻と子供2人が年間110万円ずつ均等に非課税で贈与を受けていたケースであれば、7年分の2000万円超が遡って相続額に加算され、相続税計算の対象になる。実施されれば、新たに相続税を払わなければならなくなる人が増えたり、それこそ、お金を使ってしまった後に、税金を請求されて困るケースが増えることが予想される。

インボイスは消費増税の布石

 消費増税の準備も着々と進んでいる。岸田首相は「消費税は10年程度は上げることを考えていない」(2021年9月の総裁選)と語っていたが、早くもその公約は反故にされそうだ。2022年10月の政府税調の会議で委員から「消費税率の引き上げについて考えていく必要がある」との意見が出されて議論が解禁された。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏は、2023年10月のインボイス制度導入が税率引き上げの布石になると語る。

「インボイス制度は売り手と買い手が取引ごとに消費税の適用税率や消費税額等を記入した適格請求書(インボイス)をやりとりする仕組みです。実施されれば、たとえば食品の税率は8%のままにして、日用品は12%、高級車などの嗜好品・ぜいたく品は20%。宝飾品は30%といったように品目によって税率を変える方法で消費税を上げやすくなります。インボイス導入をきっかけに消費増税議論が加速するとみています」

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