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形式的に問題ない遺言書でも皆が納得するわけではない 夫の遺言書で「愛人の総取り」になることも

遺言書の存在が“争続”を生むケースも…(イメージ)

遺言書の存在が“争続”を生むケースも…(イメージ)

 女性の平均寿命は、男性より6年も長い。夫に先立たれた後、相続や子供・孫への贈与、義実家とのつきあいなど、それらすべてが女性に降りかかってくる可能性が高いということだ。相続や贈与のトラブルに頭を抱えるのはいつも、妻であり、母であり、娘であり、嫁なのだ。

 なかでも特に大変なのが義実家との付き合いだろう。「嫁」は法定相続人ではないため、義実家の財産を相続する権利はない。それが2019年7月の法改正で「特別寄与料」を請求する権利ができた。だが、特別寄与料を受け取れるのは、本当に“特別”なケースのみだ。

「“毎日、介護施設までの送迎をした”“週に1、2度家に行って家事をしていた”といった程度では、残念ながら、特別寄与料は発生しません。

“仕事を辞めて、無償で、自宅での食事やトイレ、入浴などの介助を行っていた”といった場合にようやく認められるようなものです。請求先は相続人、つまり“夫のきょうだい”など。拒否された場合は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。もし認められたとしても、金額はおおよそ、ヘルパーを頼んだときの5~8割ほどが通例です」(遠藤さん・以下同)

 義父母が遺言書で「介護をしてくれた嫁の○○に財産の○割を遺贈する」などと残していてくれればいいが、その遺言書も、不備があれば無効になってしまうこともある。また、自筆ではなく公正証書遺言なら不備が生じる可能性は低いが、“形式的に問題のない遺言書”でも、“みんなが納得する完璧な遺言書”とは限らない。

「例えば、亡くなった夫が“愛人とその子供にすべての財産を相続させる”という公正証書遺言を残していたというケース。妻が自宅を愛人に渡さなければならないなど、相続人の生活基盤を失わせるような場合には、公序良俗に反すると認められて遺言が無効になる場合もありますが、簡単ではない。有効な場合、妻は遺留分しか受け取れなくなります。妻が愛人とその子の存在を知っていたかどうかは、重要な事実ではありません」

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