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「あの2000万円は…」亡き夫が愛人に貢いでいたことが発覚、遺族は返還請求できるのか 弁護士が解説

愛情にあふれた家庭だと思っていたが、全部嘘だったなんて…(イメージ)

愛情にあふれた家庭だと思っていたが、全部嘘だったなんて…(イメージ)

 家族が亡くなったあと、まさかの事実が判明することは珍しくない。たとえば、亡き夫が人知れず愛人に貢いでいた──そんなケースもあるかもしれない。そうした場合、どのような対処法が考えられるのか。実際に夫に先立たれた59才・会社員女性の実体験を紹介するとともに、専門家のアドバイスを聞いた。

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愛されていると思っていた。だから渡した2000万円が…

 結婚30年目に、くも膜下出血で夫が亡くなりました。58才、本当に突然のことでした。

 私と夫は会社の同期で、社内恋愛の末に28才で授かり婚をしました。当時は結婚前の妊娠は白い目で見られたので、私はすぐに会社を辞め、夫も30才で独立して起業。ところがなかなか夫の仕事が安定せず、私が昼は会社員、夜は飲食店で働きながら家計を支えていました。

 夫は私の給料日やボーナス時期になると、見計らったかのように、「今月は業績不振で不渡りが出そうなんだ。毎度申し訳ないけど、50万円ほど貸してくれないか。必ず返すから」などと言ってきました。当然、愛する夫の仕事のためですから、言われるがまま、お金を渡していました。足りないときは、実家の両親に土下座をしてお願いし、お金を工面しました。夫に渡した私のポケットマネーは、2000万円は超えていたと思います。

 夫はお金がなかったので、当然生活費も入れてくれませんでした。2人の息子の学費も、私と実家が全額支払いました。息子たちが大学を卒業するまでの約20年間、私は一度も美容院に行かず自分で髪をカット。服も買えないので、妹や友達からおさがりをもらっていました。

 そこまで尽くしたのは、夫を愛していたからです。それに、夫からの愛情も感じていました。というのも、お金を渡すたびに、「いつも本当にありがとう。すまないな。おれはお前がいるから生きられる」と、時に涙を流して感謝してくれたし、息子たちにも、「お前たちのママは立派だ。結婚するならママみたいな女性を探せ」などと言って、私を常に尊重してくれていたからです。

 家にお金を入れない代わりに、育児にも積極的にかかわり、息子たちは塾に行かずとも、夫が勉強を教えて受験を乗り越えていました。ないのはお金だけ。愛情にあふれた家庭だと思っていたんです。でもまさか、それが全部嘘だったなんて……。

 夫の死後、彼の会社の財務整理のため、税理士と初めて会い、書類を見せてもらったところ、夫の会社は業績不振どころか、ここ20年ずっと黒字だったんです。驚いて、経理担当の女性に、「業績不振だったって聞いて、亡くなる直前にも私が100万円融資したんだけれど……」と言うと、彼女は言いづらそうな顔をしながら、「あ~、それはたぶん、リエさんと社長で旅行に行っていましたから……」と告白。

 意味がわからず、さらに問い詰めると、「社長は亡くなったし、リエさんも辞めちゃったから言いますけど、リエさんは社長の愛人ですよ。私が入社する前からですから、25年くらい続いていたと思いますよ」

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