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岸田政権の負担増ラッシュ 相続ルール変更で“節税目的の贈与”が「100万円超の大増税」になる

65年ぶりとなる相続・贈与制度の見直しを行った岸田政権(時事通信フォト)

65年ぶりとなる相続・贈与制度の見直しを行った岸田政権(時事通信フォト)

「防衛増税」を巡る大騒動で注目を集めた税制改正だが、12月16日に政府・与党は2023年度の与党税制改正大綱をまとめた。そのなかで、65年ぶりとなる相続・贈与制度の見直しが明記された。これまで、相続税対策として生前贈与を進めてきた人たちにとっては大きな負担増となる可能性がある。

 与党税制改正大綱では、〈資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築〉という項目が掲げられ、〈資産の再分配機能の確保を図りつつ、資産の早期の世代間移転を促進する観点から、生前贈与でも相続でもニーズに即した資産移転が行われるよう、諸外国の制度も参考にしつつ、資産移転の時期の選択により中立的な税制を構築していく必要がある〉と明記された。

〈資産移転の時期の選択により中立的な税制〉とは、税制調査会メンバーなども口にするキーフレーズだが、親から子などへ死後に財産が相続されるか、生前に贈与されるかで、課税額に差が生じないようにするという含意がある。

「富裕層を中心に、相続税を節税するために生前贈与によって遺産額を圧縮するという手法が広く普及している。贈与税の課税方法で一般的な『暦年課税』を選ぶと、1人に対して年110万円までの贈与は非課税になる。何年にもわたって親から子らへと財産を渡していく『暦年贈与』で遺産が圧縮できるわけだが、その仕組みを利用しての行きすぎた節税に歯止めをかけたいという考えがある」(与党税調関係者)

 2015年から基礎控除が縮小され、相続税は「お金持ちだけの税金」ではなくなった。遺産額が「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超えれば、相続税が課税される。親が亡くなった時に子供2人が相続人の場合、遺産総額が4200万円を超えれば相続税がかかることになり、都心に持ち家がある場合などは、課税対象となる人が増えた。

 仮に遺産8000万円の親が亡くなり、子供2人が相続人の場合、相続税の額は470万円になる。それに対し、前述の「暦年贈与」の仕組みを使い、10年間にわたって子供2人に毎年110万円ずつを贈与していくと、遺産は5800万円まで圧縮されて相続税は160万円で済む。300万円以上の節税になるわけだ。

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