吉田みく「誰にだって言い分があります」

帰省費用は親が援助するもの? 息子夫婦の“お願い”を断った70歳主婦を悩ませる嫁の一言

3年ぶりに息子家族と会えるのは嬉しいが…(写真:イメージマート)

3年ぶりに息子家族と会えるのは嬉しいが…(写真:イメージマート)

 今年も帰省シーズンが近づいてきた。JR各社によると、下りのピークは12月29日、上りは新年3日になる見込みで、年末年始の指定席予約状況は前年度に比べて16%増えている(12月中旬時点)。行動制限もないこの年末年始は、各地で混雑が予想されるが、物価高時代だけに帰省費用も節約したいという本音もあるだろう。そうしたなかで、都内在住の70代女性は、息子家族の帰省費用をめぐって思い悩むことがあったという。フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 コロナ禍の年末年始は今回で3度目となる。2022年はどのような過ごし方をする人が多いのだろうか。

 市場調査を手掛けるインテージが実施した「年末年始の予定」調査(全国15〜79歳の男女2583人を対象)では、この年末年始は4人に1人が帰省や旅行を予定しているという。「自分の実家への帰省(13%)」が最も多く、「夫・妻の実家へ帰省(6%)」が続いた。新型コロナの感染状況による予定変更については7割が「検討していない」と回答した。感染対策をしたうえでの旅行や帰省が意識付けられた結果なのかもしれない。

 今シーズンの帰省を前に、複雑な心境の家庭もあるようだ。都内で夫と二人暮らしの専業主婦・マキコさん(仮名、70歳)は、東北地方に住む息子家族の帰省についてモヤモヤしていることを話してくれた。

「先日、息子(38歳)から年末年始は家族を連れて3年ぶりに実家へ遊びに来ると連絡がありました。コロナ禍でなかなか会えなかったのでとても嬉しかったのですが、『交通費だけど、5万円くらいいいかな?』と言われたんです。こちらはおもてなし準備にもお金がかかりますし、即答できませんでした」(マキコさん)

 マキコさんの息子の家族構成は、パート主婦の妻(40歳)と3歳・5歳の子供の計4人。息子の仕事は医療関係で、平均よりも多めに給料を貰っているという。1年ほど前に注文住宅や新車を購入するなどの多額な出費があったようだが、親であるマキコさん夫婦に金銭的な援助を求めることはなかった。そのため、突然の交通費の援助の申し出には困惑したそうだ。

「子育ては何かとお金がかかりますし、息子は家も車も新しくしたばかりで、金銭的に厳しいのかなと思いました。ですが私たち夫婦も年金生活者で余裕はありません。夫と話し合った結果、金銭的な援助は期待しないでほしいとハッキリ伝えることにしたんです」

 マキコさんとしては非常に心苦しかったが、老後資金の確保で精一杯であることを包み隠さず話したそうだ。息子は「そうだよね、無理言ってごめんね」と言ってくれたそうだが、嫁は一筋縄ではいかなかった。

「息子との電話の最中、『じゃあ“孫に会わせない”ってガツンと言ってよ!』とお嫁さんの声がかすかに聞こえました。私が息子たちの世代の時は、両親が帰省費用として十分な援助をくれていたので、彼女の言い分もわからないでもない。ですが、今の我が家に余裕がないのも事実です。とても複雑な気持ちになりました……」

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