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店員と客の適切な距離感の難しさ どんなに通い詰めても「絶対に店員と仲良くなりたくない人」の本音

店員からすれば、何か話さないと気まずいシチュエーションもあるようだが…(イメージ)

店員からすれば、何か話さないと気まずいシチュエーションもあるようだが…(イメージ)

 お気に入りの飲食店に何度も通っていれば、いつの間にか“常連客”になることはある。常連になれば、会話を楽しむこともできれば、もしかしたら少しサービスしてもらえることもあるかもしれない。ところが一方で、どれだけ通い詰めても、店員とは「仲良くしたくない」タイプの人もいる。気に入っている店なら、店員との距離が縮まっても良さそうなものだが、なぜ頑なに拒否するのか。そうした人たちの本音を聞いた。

 川崎市に住む会社員のHさん(30代/男性)は、かつては店員と仲良くなるのが嫌いではなかった。だが、あることをきっかけに考えが変わったという。

「社会人になりたての頃は、行きつけの店の大将と話すのが好きでした。当時の自分には、店員と軽口を叩きあったりするのが大人のように思えたんです。大将を通じて他の常連客とも仲良くなり、みんなで釣りやバーベキューに行ったこともありました。

 ただ、段々知り合いであることが窮屈になってきたんです。私は身長が190cm近くあるので、どうしても街なかでは目立ってしまう。『駅で見かけたよ』などと言われるのは仕方ありませんが、ただの同僚なのに『女の子と歩いてた』と店で噂されていたのを知った時は、率直に“イヤだな”と思いました。

 決定的だったのはコロナ禍に入ってからのことです。それまでも『良い魚が入ったから』といったメールが来たことはありましたが、『店がピンチだから飲みに来てくれ』という趣旨のメールが来て、これは鬱陶しいな、と。当時は自粛期間中でもあったので、ドン引きしてしまいました。それ以来、その店には二度と行っていません。こっちは友人だと思っていても、“結局、目当てはオレの財布かよ”と、深く失望しました」(Hさん)

 気に入っていた店だけにショックは大きかったようで、その後は他の店でも、「店員とは距離を置こう」と決めたそうだ。

店員も「常連扱いがイヤな客がいる」ことはわかっている

 都内に住む自営業のSさん(40代/男性)は、生粋の“仲良しお断り派”だ。

「私は週5ペースで飲みに行く生活を20年続けており、少なくとも100回は行っている店もありますが、店員とは注文以外では一切、口を利きません。知らない人と話すのは得意ではないし、ひとりでボーッとしたくて飲みに行っているので、店の人に話しかけられるとイラっとしますね。私が居酒屋に行くのは酒と食事が目当てで、会話は求めていないんです。

“話しかけないでオーラ”を全面に出しているので、話しかけられることは滅多にありませんが、ちょっとでも親しげに話されるともうダメ。根っこにあるのは“自分は客。アナタは店員。友達ではない”っていう感覚です」(Sさん)

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