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年金博士が“岸田年金改悪”を解説「年金だけで安心の老後を送るのはまず無理」

年金博士こと社会保険労務士の北村庄吾氏

年金博士こと社会保険労務士の北村庄吾氏

Q:年金だけで安心の老後を送れますか。
A:まず無理です。

「夫婦の年金額」を考えると、厚労省のモデル世帯では現在、月額約22万円。現役男子の手取り収入の平均である月額約35.7万円に対して6割超の水準となっています。それが厚労省の資料にあるシミュレーションによれば、2060年には夫婦の年金が月額約27.6万円になり、その時の現役男子の手取り収入月額約54.3万円に対して約5割となっている。一見、年金額が増えたように思えますが、物価や賃金の上昇を加味せず現在の価値で考えれば実質の年金額は月額約18万円まで減るということです。

 総務省の家計調査では年金暮らしの夫婦2人世帯の支出は月額約27万円となっています。年金が月額約18万円になれば毎月約9万円の赤字です。年間約110万円、65歳でリタイア後20年間で約2200万円も足りなくなる。公的年金だけではとても暮らしていけません。

第2回につづく

※週刊ポスト2023年1月27日号

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