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日本企業の賃上げ 若い社員だけでなく中高年世代の給料を上げられるかが最大のテーマ

熊本に工場を建設中のTSMCは高給で知られる(時事通信フォト)

熊本に工場を建設中のTSMCは高給で知られる(時事通信フォト)

「賃上げの最大のテーマは40代、50代のサラリーマンの給料が上がるかどうか。優秀な新人社員を確保するために初任給や若い社員の給料を上げるかわりに、中高年社員の賃金水準を抑制することはよくあることです。しかし、それでは社員のモチベーションが下がるし、消費拡大に水を差してしまう。

 新卒の初任給もアップし、頑張れば20年後、30年後もドンドン給料が上がる。そういうビジョンを示せる企業でなければこれからの競争は勝ち抜けないし、その過程では、賃金を上げられない企業の淘汰も起きるでしょう」

 日本経済のダイナミックな復活は、グローバル企業が国際的な人材獲得競争に勝つために大胆な賃上げを行ない、商品価格に転嫁することで取引先の中小企業の給料アップへといかに広げるかにかかっている。

 この「賃上げ波及効果」が生まれれば、これから日本は「第2の高度経済成長期」に向かうだろう。

※週刊ポスト2023年2月3日号

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