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【松井咲子のFX変奏曲】(Lesson3)南十字星が“きらめく”国々の通貨たち

一部スポーツで突出する南半球諸国

松田:ところで、ブラジルには150万人の日系人がいて、アメリカの120万人を上回り、世界でいちばん日系人の多い国です。明治以降ブラジルに移住した日本人の勤勉さは、現地の人に強い印象を与えたようですよ。

松井:日本とブラジルにそんな結びつきがあるなんて知りませんでした。

松田:日本で催される格闘技の試合で、グレイシー柔術などを使うブラジル人選手がやたらと強いのも、日本人が現地で伝えた柔道や空手などの影響と言われていて、日本とブラジルは世界で格闘技の双壁です。

松井:あの、ちょっと意外なのですが、格闘技もお詳しいんですね。ブラジルと言えばサッカーだと思いますが、ラグビーも南半球の国々が強いのですか。

松田:それは、過去のイギリスによる支配の影響で、ラグビーがスポーツの中で突出して盛んになったためだと思われます。あと、これらの国では、クリケットも大変盛んですね。

サッカーといえば、31回を数える夏季五輪が南半球で開催されたのは、メルボルン、シドニーに次いで今回がまだ3度目ですが、サッカーのW杯は、第1回が南半球のウルグアイ、その後2014年のブラジルまで、実に20回中6回も南半球で開催されていますよ。

高金利で人気の南半球通貨たち

松井:そうなんですか? さすがですね。ところで、ブラジルの通貨はFXで取引できるのですか?

松田:日本で扱っているFX会社はほとんどありません。これは、ブラジル・レアルの銀行同士での取引量がまだ多くないため、FX業者としてなかなか扱いにくいということがあります。

南半球諸国の通貨では、南アフリカ・ランド、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドルが、それぞれザル、オージー、キウィの愛称で高い人気を誇っています。

松井:おそばや果物のような名前がついているのですね。

松田:キウィは、ニュージーランドにいるダチョウのような鳥のことで、国鳥にもなっています。

松井:あ、そうでしたか(笑)。私もオーストラリア・ドルは昔から金利が高くて外貨預金で人気があると聞いたことがあります。

松田:これらの国では総じて、インフレを抑え、外国の資本を呼び込む狙いもあって金利が高めに設定されてきているという特徴があります。相場変動で利益を得る機会ももちろんありますが、じっくりスワップポイントを貯めていくという投資スタイルを選ばれるお客さまに向いていると思います。

リズムと音量が強烈な音楽シーン

松井:なるほど。私も来春には音大を卒業するので、お金のことをいろいろ考えなきゃ。ところで、南半球の音楽には、音大でもほとんど接する機会がありません。ブラジルのサンバのリズムとボサノバのややけだるい雰囲気はよく知られていると思いますが。

松田:そうですね。さらに、リオや浅草のサンバ・カーニバルを見ていると、踊りの激しさもさることながら、ダンサーが身につけている衣装の布の小ささも大いに気になりますね。

松井:大いに気になるかどうかは、人によるのでは……。

松田:次に、人気通貨国のオーストラリアは、国の成り立ち(イギリスの囚人の流刑地として使われ、国土面積対比で人口が少なすぎた)もあって、なかなか市民が集まって音楽を楽しむ文化が広がらなかったようで、オーストラリア音楽というのは日本ではほとんど知られていませんね。

料理についても同じことが言えます。ただし、シドニーにある貝殻のような形をした有名なオペラハウスは世界遺産にも数えられる美しい建物です。

松井:突然、格調の高いお話しに…。オペラハウスはよく写真で見ます。

松田:NHK交響楽団やオーケストラ・アンサンブル金沢の指揮者を務めた岩城宏之さん(故人)は、メルボルンのオーケストラの指揮者として現地の聴衆に愛され、現地には彼の名を取った『イワキ・オーディトリアム』というコンサートホールがあるんですよ。

松井:あと、南半球の音楽というと、サッカーの試合で話題になった、ブブゼラという南アフリカの民族楽器は覚えています。あれを音楽というには無理があるかもしれませんが。

松田:2010年の南アフリカW杯ですね。あの大音量は耳によくないと問題になっていますが、ブブゼラの音域だけをカットして中継できる技術も開発されたそうですよ。

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