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森口亮「まるわかり市況分析」

米株式市場のチャートが示唆する「悲観」と「楽観」の交錯 「ダブルトップ形成」で弱気相場入りか、「半値戻し到達」で短期で高値回復に向かうか…動向を左右する金融政策の行方

米株式市場は、トランプ大統領の関税政策への懸念が後退しつつあるが…

米株式市場は、トランプ大統領の関税政策への懸念が後退しつつあるが…

 米トランプ大統領の相互関税政策の発表以来、乱高下が続く世界の株式市場。米国株の主要指数であるS&P500は、4月7日の安値から下落幅の約50%の戻りを示し、投資家の間では楽観的な見方も広がりつつある。しかし、過去のチャートパターンやテクニカル指標を精査すると、依然として注意が必要な局面であることが浮かび上がる。現在の市場が抱えるリスク要因は何か。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが解説する。

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 4月末の段階で、米・トランプ政権による関税政策への過度な懸念は後退しつつあり、徐々に市場は安定を取り戻しています。短期的な戻りを試す展開が続いていますが、このまま素直に高値を更新すると楽観視しても良いのでしょうか。今回は、テクニカル上で示される中長期的なサインについて見ていきます。

ダブルトップを形成した米株主要指数

「ダブルトップ」という天井サインをご存じの方も多いでしょう。その名の通り、同水準の高値を2回つけた後に下落へ転じる際、チャート上に現れる典型的な天井サインとして、多くの投資家に知られています。

 NYダウ、S&P500、ナスダックの主要3指数は、昨年11月から今年3月にかけて、このダブルトップに近い形を描いており、すでに天井を打ったと認識している投資家も少なくないでしょう。

NYダウ週足チャートに見られる「ダブルトップ」。TradingViewより筆者作成

NYダウ週足チャートに見られる「ダブルトップ」。TradingViewより筆者作成

 さらに、その後の下落によって、主要な移動平均線が下向きに転じており、トレンドが下方向であると意識される状況が続いています。

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