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ビジネス
「外免切替」が映す日本社会の今

「日本で運転免許を取ろう!」過去10年で2倍、訪日外国人による「外免切替」ブームが孕む問題点 「ホテルを住所にして申請可能」「学科試験は○×式で10問」の簡便さ

外国人が日本の運転免許証取得に殺到している(神奈川県の運転免許センターにて。2024年10月、加藤久美子氏撮影)

外国人が日本の運転免許証取得に殺到している(神奈川県の運転免許センターにて。2024年10月、加藤久美子氏撮影)

 大阪・関西万博が開幕し、全国でインバウンドの活況に拍車がかかるなか、訪日外国人が大挙するのはガイドブックに載った観光地や有名店ばかりではない。この数年、運転免許試験場には「日本の運転免許」取得を目当てに訪れる外国人が増えているという。その主な手段が、外国で取得した運転免許証を日本のものに切り替える「外免切替」だ。警察庁「運転免許統計」によると、外免切替の取得者数は昨年1年間で7万5905人に上り、過去10年間で2.5倍に増えている。手続きや試験が「簡単すぎる」との指摘もあるが、実際はどうなのか。フリーライターの池田道大氏が、昨今話題の「外免切替」の実態について取材、レポートする。

 * * *
「私が東京・府中の運転免許試験場を取材した際は、試験前日の夜10時から並ぶ外国人がいて驚きました」

 そう語るのは、自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏。多くの外国人が運転免許試験場に殺到する理由は、「外国免許切替(外免切替)」のためだ。

 外免切替とは、外国人が母国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えること(日本人が外国で取得した運転免許を切り替える際の手続きにも使われる)。母国の運転免許証を持つ外国人が日本で車を運転する場合、「道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)」の加盟国で発行された国際運転免許証を保有する必要がある。

 だがロシアやセルビアなどジュネーブ条約の締結国でありながら日本で国際運転免許証を使用できない国や、中国やベトナムなどジュネーブ条約を締結していない国の人は、母国の運転免許証があっても日本で運転することができない。

 そうした人々の救済措置となるのが、外免切替だ。外免切替は、国や州などによって必要な書類や試験方法が異なり、ジュネーブ条約締結国を中心に書類のやりとりで手続きが完了する国がある一方、中国やベトナムなどジュネーブ条約を締結していない国の人は、「書類審査」と視力や身体機能などを調べる「適性試験」を経たのち、日本の運転免許試験場で行われる「知識確認(学科試験)」と「技能確認(技能試験)」に合格する必要がある。

 近年、外免切替を求める外国人は増加の一途をたどる。警察庁の「運転免許統計」によると外国免許切替者数は2023年に初めて6万人を超え、2024年はさらに増えて7万5905人に達し、過去10年間で2.5倍に増加した。なぜ、外免切替のニーズが急増したのか。

次のページ:在日外国人労働者だけでなく、「国際免許」取得が目的のケースも

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