懸賞金獲得のペースはどこまで上がるか
新横綱・大の里の土俵に注目が集まる大相撲名古屋場所。新会場のIGアリーナでの「こけら落とし優勝」への期待がかかるが、その期待が幕内力士の取組への懸賞旗の数にも表われている。
今場所15日間の懸賞の総本数は2391本となり、昨年の1759本を大きく上回っている。今年3月の春場所での2152本を更新する地方場所最多本数となった。新会場での開催であることに加え、大の里人気が反映されたのは明らかだ。
懸賞旗は力士指定が可能で、今場所の大の里には最多の287本の指定が集まった。これは人気のバロメーターにもなっており、大の里が新関脇に昇進して迎えた昨年の名古屋場所の124本、今年3月の春場所の164本を上回り、今場所2位の大関・琴櫻(159本)を大きく引き離すかたちとなった。
豊昇龍の休場もプラスに
期待されるのが年間最多懸賞旗獲得本数の更新である。過去最多は4回の全勝優勝を含む5回の優勝を飾った2010年の横綱・白鵬で、獲得総本数は2111本だった。
ここまで3場所(初、春、夏)で2回の優勝をしている大の里が獲得した総本数は1110本。当時の白鵬を56本も上回るペースだ。相撲担当記者が言う。
「結びの一番を指定する懸賞も多く、もうひとりの横綱・豊昇龍が5日目から休場したことで、大の里が千秋楽まで結びの一番を務める。白星を重ねていけば、大関として土俵に上がった直近3場所以上のペースで獲得本数が増えていくことになる。記録更新は確実とみられています」
新横綱として土俵に上がる大の里が初日に獲得した懸賞旗は42本だった(結びの一番の横綱・豊昇龍は44本)。大の里が結びの一番に登場した2日目は36本、3日目は22本で合計100本を獲得した。
「4日目は結びの一番で王鵬に不覚を取って41本の懸賞旗を逃したが、同日の豊昇龍と阿炎の一番には9本しかつかなかった。大の里戦に一極集中しているのは明らか。地方場所は東京の3場所に比べて懸賞本数が少ないが、優勝すれば力士指定の287本に加えて結びや横綱の一番指定の懸賞もあり、東京開催だった5月の夏場所(大の里は14勝1敗で優勝)の509本に迫る数字になるのではないか」(協会関係者)