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快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた

新型も売れ行き好調、軽トールワゴンの主役として「ダイハツ・ムーヴ」が支持され続ける理由 歴史を積み重ねてきた“7世代目”の進化

7世代目の新型「ムーヴ」。日本での使いやすさを徹底して追求した軽自動車をリードする存在としてデビューし、大人気となっている

7世代目の新型「ムーヴ」。日本での使いやすさを徹底して追求した軽自動車をリードする存在としてデビューし、大人気となっている

 ダイハツのトールワゴンとして一時代を築いた「ムーヴ」が2025年6月にフルモデルチェンジを果たし、7代目モデルとなって販売をスタート。先代モデルは2023年7月に販売を終了していたため、約2年ぶりの復活だ。背の高い「軽トールワゴン」というカテゴリーの人気モデルだっただけに、まさに待望のニューモデルというわけだが、フタを開けてみれば発売後約1カ月で月間販売目標6000台の約5倍、累計で約3万台という売れ行きに。ヒットの理由は何か。シリーズ「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」、今回は自動車ライター・佐藤篤司氏が新型「ムーヴ」に試乗し、その魅力を探った。

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スーパーハイトワゴンとは違った魅力を徹底して追求

 1949年に「軽自動車規格」が誕生して以来、現在までボディサイズや排気量を拡大しながら進化してきた軽自動車。現在では「全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、さらに排気量660cc以下、定員4名以下、貨物積載量350kg以下という規格に収まる4輪または3輪の自動車」という規格になっています。当然、各基準において少しでもオーバーすれば小型自動車となり、軽自動車ならではの税制をはじめとした優遇は受けられなくなるわけです。

 そんな中で限られた前後長や車幅、つまり自動車を真上から見たときの上方投影面積を守りながら、居住性を拡大する手法として考えられたのが“高さを伸ばす”ことでした。それはちょうど、限られた建坪の中で階数を増やして延べ床面積を稼ぐ住宅と同じといえます。そうした要求に応えるため考えられたのが全高「約160~175cm」といった軽トールワゴンでした。その始まりと言われるのは1972年に登場した「ホンダ・ライフ・ステップバン」ですが、定着するほどではありませんでした。その後、1990年には「三菱・ミニカトッポ」も登場しましたが、こちらは床の高さや着座位置がベースとなったミニカと同じで、ヘッドスペースだけが広くなったといった車でした。

 背を高くすることは軽自動車にとって新たな可能性を示す魅力であることが明確になり「スズキ・ワゴンR」が1993年に登場。これが大ヒットしたことで、ライバルのダイハツも「ダイハツ・ムーヴ」を投入し、このカテゴリーを牽引することになります。さらにホンダの「2代目ライフ」や三菱の「トッポBJ」なども参戦。「軽トールワゴン」市場は活況を呈し、軽自動車のファミリーカーとして主流になりました。

 その後、「さらなる居住性の拡大」を狙った軽自動車として、全高が「約175cm~185cm」の「スーパーハイトワゴン」がデビューすると軽自動車の主役の座を譲ることになるのです。室内高は子どもが立てるほどに高く、利便性を求めてスライドドア採用するなど、徹底した実用を追求したのですから、ファミリー用の軽自動車の中心的な存在となるのも当然かもしれません。

 ただし、上方投影面積は同じなのに、ボディを上に伸ばせば重心も高くなり、重量も増し、車としての軽快さが少し犠牲になります。その点、トールワゴンは室内の広さと、走りや取り回しの良さが程よく実現されていますから、スーパーハイトワゴンまでは必要ないというユーザーの支持を得ています。その中心的存在として人気を維持してきたのが今回の「ダイハツ・ムーヴ」です。

元祖トールワゴンとも言われている「ホンダ・ステップバン」。時代が早すぎたのか、ヒットはしなかったが、レジャーなどで当時の若者達からも支持されていた

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