はっしゃんさんは今後の日本株市場をどう見ているのか(トランプ大統領/Getty Images)
株式市場に不確実性をもたらしたトランプ関税。一応の着地をみたことで、株式市場はこれを好感し、日経平均株価も4万円台を回復した。一方で、参院選では与党が過半数割れの大敗を喫し、政局の不安定さが株式市場にも影を落とす可能性がくすぶっている。不透明な相場環境が続くなか、投資上級者たちは今後の相場をどう読み、はどのような戦略を取るのか。サラリーマン投資家から資産3億円を積み上げた投資家VTuberのはっしゃんさんに聞いた。
「今年4月の、いわゆるトランプ関税ショックのとき、私は長期投資が基本ですので、完全に静観していました。株式市場は暴落したのですが、思っていた通りにすぐに戻しました。いったんは資産を減らしたのですが、その後は順調に伸ばしている。という感じですね」(以下、「」内のコメントははっしゃんさん)
そう語るはっしゃんさんは、参院選以降の国内情勢をどのように分析しているのか。
「今まで相場を左右するのは海外要因が主だったのが、日米関税交渉の見通しが立ったことで、不確実性はかなり減ってきていると思います。一方で、国内の政治面では不確実性が増している印象です。ただ、経済への影響はそれほどでもない気がしています。総理大臣が変わっても、このまま少数与党の状態が続いても、経済政策が大きく変わることはないだろうと見ています」
そうした考え方をベースに、「年末に向けては、政治や経済の大きなリスクを織り込むよりも、これまでに出てきた材料の延長線上で面白そうな(上昇が期待できる)銘柄に注目する方がいいでしょう」と投資家向けにアドバイスする。
“出遅れ銘柄”を賢くキャッチしたい
注目するのが、相場全体と比べて株価の上昇がまだ目立っていない銘柄だという。
「既に株価が上がっている銘柄も多いですが、出遅れ銘柄を狙ったり、話題性があるものをウォッチしたりするほうが建設的でしょう」
はっしゃんさんが「たとえば」と挙げたのが「自動車業界」だ。
「ヤマハ発動機(東証プライム・7272)は、配当利回りが4.57%あります。事業の中心は二輪やボートなどですが、業績に対して株価は沈んでいて、割安感がある。不透明感が減ってきた今、買いやすくなったかなという印象です」
そう話すはっしゃんさんがこれから狙い目とみる具体的な銘柄は何なのか。関連記事『《10倍株狙いの投資で資産3億円》投資家VTuber・はっしゃんさんが選ぶ株価上昇期待の10銘柄 自動車、電力、エンターテインメント関連ほか、注目に値する根拠を解説』で詳しく紹介している。
【プロフィール】
はっしゃん/投資家VTuber、ITエンジニア投資家。サラリーマン時代に従業員持株会から投資を始め、投資歴は30年。リーマンショックなどで資産を減らすこともあったが、決算分析・理論株価・四季報・月次情報などを武器に30代で資産1億円を達成。2019年、サラリーマンを卒業し、独立起業。著書に『普通の会社員でも10万円から始められる! はっしゃん式 成長株集中投資で3億円』(総合法令出版)、『株で資産3.6億円を築いたサラリーマン投資家が教える 決算書「3分速読」からの“10倍株”の探し方』(KADOKAWA)、『月次情報で“伸びる前”に買う 割安成長株投資入門』(パンローリング株式会社)など。現在はVTuberとして【株Biz】勉強会など主宰。