シゲルさんは日々取引ノートに何を記録しているのか
超高齢社会の現代、人生の明暗は現役時代ではなく「老後」にこそ分かれる。老後資金を考えるうえでは「投資」も欠かせない要素だ。年齢を重ねてからの資産運用に、どう取り組めばいいのか。いまなお現役で活躍する「シニア億り人」のひとり、89歳の現役トレーダー「シゲルさん」こと藤本茂氏に聞いた。
「『歳をとっているから』は逃げ文句や」
シゲルさんの投資歴は70年に及ぶ。10億円まで増やした資産がバブル崩壊で2億円に減ったこともあるが、2002年に66歳で初めてパソコンを買ってネット取引を開始。一日に何度も売買するデイトレードを駆使して幾度となく急落相場を乗り越え、現在の資産は20億円超にのぼる。
その秘訣は日々の売買を記録することにあると、シゲルさんは言う。
「年齢を重ねるにつれて記憶力は低下しますが、それを補うために日々の取引をノートに手書きで記録しています」
常にノートを手元に置き、どの銘柄を「いついくらでどれだけ買った」「いくらで売った」「どれだけ利益が出た」かがわかるように、取引履歴を1行にまとめる。
「株式市場で生き残るには、『なぜ勝てたのか』『なぜ負けたのか』を考えて次に生かすこと。だからノートに記録して反省し、頭を使い続けることが重要なんです。
70歳を過ぎて株を始めた友人も5年、10年と諦めずに続けたら勝てるようになった。『歳をとっているから』は逃げ文句や。年齢は関係ないです」