自宅のバリアフリー改修で補助が受けられるケースも(イメージ)
80歳を過ぎたら、そろそろ“万が一”に備える必要が出てくる。それを後ろ向きに捉えずに、しっかり準備をして自分なりの特別な時間が始まるタイミングにしたい。そのために検討したいのが自宅のリフォームだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏はこう言う。
「年齢とともに足腰が弱くなれば、自宅のちょっとした段差や動線上の障害物が事故を招くことがあります。特に転倒が多い浴室は、浴槽を跨ぎやすい高さに換えたり、手すりを付けるなど重点的に対策したい箇所。将来の介護まで想定すれば、車椅子での移動や介護ベッドの設置を踏まえ、間口を広げたりドアを引き戸に変更したりすることが有効です」
すでに介護認定を受けている場合でも「要介護・要支援」に該当すれば、上限20万円までの自宅のバリアフリー改修に補助が受けられる。自宅リフォームは80歳以降の生活の質を高めるだけではない。「相続税対策にもなる」と言うのは税理士の勝部貴史氏だ。
「子供が家を相続して住むのであれば、生前にリフォーム費用を捻出しておくと相続財産全体の評価額を圧縮できることが多い。外壁や屋根、防水工事や水回りの交換などにお金を使っても、財産の評価が増えることはまずありません」
同様に、生前にお金を使うことで相続財産の圧縮に繋がるのが「墓」「仏壇」などの購入だ。
「祭祀財産は非課税財産なので、生前に現金から捻出して購入するのは相続税対策として有効。将来を見越した生前の準備は、相続について子供と話し合うきっかけにもなります」(同前)
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※週刊ポスト2025年11月28日・12月5日号
