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投資

【「みんなで大家さん」2000億円超不動産投資トラブル】共生バンクグループによる「日本版フードバレー構想」とは何だったのか

みんなで大家さんの「日本版フードバレー構想」とは(ホームページより)

みんなで大家さんの「日本版フードバレー構想」とは(ホームページより)

 個人投資家から2000億円超を集めたものの、1000人超の出資者が返金を求め訴訟に踏み切る事態となって不動産投資商品「みんなで大家さん」トラブル。『週刊ポスト』前号では、みんなで大家さん側トップが行政とのやりとりで「大企業との関係」をちらつかせていることがわかる資料の存在を報じたが、その文脈で名前が挙がったのは日本有数の大企業だった。

「みんなで大家さん」を傘下に持つ共生バンクグループ代表の柳瀬健一氏(59)は、グループ最大の不動産開発「ゲートウェイ成田」構想が行き詰まると、「企業コンソーシアム」を結成して計画を見直すと言い出した。2022年から2024年にかけてのことである。そして、「企業コンソーシアム」とともに立ち上がったのが、「日本版フードバレー構想」だ。いったいどんな構想だったのか──。ノンフィクション作家・森功氏がレポートする。(敬称略)【全3回の第2回】

「魚を生きたまま凍らせる」

 日本版フードバレー構想は、米カリフォルニアの半導体研究拠点であるシリコンバレーに擬えた最先端の食品加工拠点を意味する。共生バンクは「ゲートウェイ成田」のウェブサイト上に今でもこう謳っている。

〈日本版フードバレー構想を具現化するために、フードテック企業のイノベーションセンターやテストマーケティングレストラン、配信を目的としたキッチンスタジアム、国際会議場等で構成されるR&D(研究開発)複合施設が設置されます。日本食の輸出拡大とグローバルコールドチェーンの構築を目指す研究開発が行われます〉

 煎じ詰めればフードバレー構想は、成田空港に降り立った海外の観光・ビジネス客に日本の食材を売り込む計画だ。柳瀬はそのために水産加工業の国分グループに呼びかけ、さらにブリヂストンに加工パネルづくりを任せようとしたとされる。その食品加工技術が画期的なのだそうだ。共生バンクグループ傘下の冷凍加工会社「ブランテックインターナショナル」がそれを担うとか。

「ブランテックは魚を凍らせる技術を持っているベンチャー企業で、柳瀬氏が企業買収した。摂氏ゼロ度以下の生理食塩水濃度の水中に生魚を放すと生きたまま魚が凍り、常温に戻すと泳ぎ始めるという技術です。通常の冷凍は空冷なので魚の細胞が破壊されて生き返ることはありませんが、この技術だと生きたまま凍らせることができるといいます」(コンソーシアム参加企業の関係者)

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