日米の政局が株式市場に与える影響とは(写真:Getty Images)
2026年の株式市場は冒頭から上値を追う展開となり、日経平均株価は1月14日に史上初めて5万4000円の大台に乗せた。その後は欧米の株式市場の下落などを受けて一服することもあるが、相場の勢いは衰えていないように見える。国際情勢の不透明感が強まるなか、目先には衆院選の投開票も控える。これから株式市場はどう動くのか。
バブル崩壊の真っただ中の1995年に株式投資を始め、数々の歴史的な暴落に見舞われながら、一度も市場から退場することなく資産2億円超の“億り人”となった兼業投資家・名古屋の長期投資家(なごちょう)氏に、今後の株式相場のカギを握る材料や注意点を聞いた。
「日米の選挙結果は中長期で株式市場に影響」
2025年を振り返ってみても、4月にはトランプ関税発表で、日経平均株価は3万5000円台から一時3万700円台まで急落。10月には高市政権誕生を受けて5万2000円台をつけるなど、政治要因で株価は大きく動いた。「この傾向は2026年も続くでしょう」と、なごちょう氏は分析する。
「スケジュールが確定しているもののなかで、とりわけ大きな材料は、目前に迫った衆院総選挙と、今年11月に実施される予定の米国の中間選挙でしょう。選挙結果はその後の日米の政策を左右するため、中長期で株式市場に影響することになります」(以下、「」内コメントはなごちょう氏)
たとえば、高市政権は「重点投資対象17分野」を策定し、各分野に関連する企業は“高市銘柄”として上昇してきたが、衆院選で自民党が勝利すれば上値を追う可能性が出てくる。自民党が負ければ政策の実現性は後退し、反動安の可能性も高まるだろう。
衆院選後、株価は大きく跳ね上がるのか
衆院選の行方については、どう見ているのか。
「政治の専門家ではないので、私自身の予想は控えますが、実は私の知人に以前から選挙の予想が当たる人がいて、その人は自民党が小選挙区で地滑り的な勝利を収めて単独過半数を獲得する、と予想しています。これだけだとSNS上に溢れている予想と変わりませんが、その知人は元投資家で、現在は地方議会の議員をしています。私の知る限りでは、毎回、選挙の結果はほぼ当たっており、今回も2025年の12月の時点で『1月に衆議院の解散がありそうだ』と言っていたんですよ」
となると、株価は大きく跳ね上がるのだろうか。
「ある程度は上値をとっていくと思われますが、すでに解散の報道後に大きく上げているので限定的かもしれません。また、選挙期間中に自民党の勝利を株式相場が織り込んでしまい、結果の判明時は“材料出尽くし”で下落することも十分あり得ます。
個別銘柄への投資にも注意が必要で、やはり成長性や利益率、配当利回りなどのチェックは不可欠でしょう。高市銘柄のなかでもレアアース関連などは実用化には相当時間がかかるとの見方から、すでに調整に入っています。銘柄によっては選挙で自民党が勝ってもあまり反応しないかもしれません」
2026年の株式投資で心がけたいこと
では、トランプ大統領の任期2年目の政権に対する評価となる、11月の米国中間選挙はどうか。
「最新のトランプ大統領と共和党の支持率を見ると、第2次トランプ政権下では最低水準に落ち込んでいるので、このままいけば惨敗する可能性のほうが高いのではないでしょうか。最大の公約であった、物価高の抑制はまったく機能していないからです。この先、短期間で物価高が収まるとも思えません。どのくらい議席を失うかによりますが、共和党が負ければ株式市場にはマイナス要因となります。もちろん、日本株にも影響はあるはずです。負ける可能性が高くなれば、選挙前から株価は織り込みにいくでしょう」
そうした政治的な要因で市場が大きく動きやすい2026年の株式投資において、特に心がけておくべき点は何だろうか。
「株価の値動きにあまり一喜一憂しないことです。一例を挙げれば、トランプ大統領は中間選挙に向けて、さまざまな想定外の手を打ってくると思います。株価が乱高下する場面が増えてくるでしょう。それにいちいち反応して、下がったから買う、上がったから売るといったような“値ごろ感”で売買をするのは危険です。企業の事業内容や業績、成長性、利益率などをチェックして、投資するかどうかを判断するべきです」
割安株への長期投資で“億り人”となったなごちょう氏が、いま注目しているのはどのような銘柄か。関連記事『《元手50万円→資産2億円超のなごちょう氏が厳選した大化け期待3銘柄》世界トップシェアの半導体化学メーカーなど、話題の割安株投資家が「期待が膨らむ材料」を詳細解説』では、「優良な会社の株が割安に放置されている理由」とともに注目3銘柄を挙げ、詳しく解説している。
【プロフィール】
名古屋の長期投資家(なごちょう)/学生時代の1995年12月から株式投資を開始。インカムゲインと配当の成長が期待できる割安株への長期投資が基本。投資銘柄の割安さが解消されるまで持ち続けるスタイルで、2026年1月現在、200銘柄以上を保有するという超分散投資。現在の株式資産は2億円超(2026年1月時点)。2025年の年間配当金合計は500万円を超えた。名証(名古屋証券取引所)上場銘柄を好み、年間に10社前後の株主総会に参加する。2025年11月に出版した初の著書『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』(高橋書店)が好評で2万3000部を突破。
Xアカウント:@Nagoya_Tyouki
取材・文/松岡賢治
