樹木の管理者は誰か(写真:イメージマート)
道路や公園に植えられた木が、雨や風、害虫などの原因で倒れるケースがある。では、そうした事故で車が破損した場合、責任の所在はどこにあるのか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
道路や公園に植栽された木が害虫などにより、根本が空洞化したせいで倒れるニュースを目にします。もし、そのような倒木のせいで車が破損した場合、責任は植栽した管理者が問われますか。また、契約中の駐車場の裏に古木が植えられているのですが、これも倒れて車が壊れたら、誰が責任を取るのですか。
【回答】
道路脇の木が走行中の車に倒れて事故が起きた場合、道路管理と樹木の管理がともに問題となります。まず道路の設置、又は管理に瑕疵があり、事故が起きると道路管理者は『国家賠償法』に基づき、被害者に損害賠償責任を負います。
この瑕疵とは、道路が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、その有無は事故当時の道路の構造、用法、場所的環境、利用状況等諸般の事情を総合考慮し、具体的個別的に判断されます。
一方、樹木の管理者は民法に基づいて竹木の栽植、又は支持に瑕疵があったことで他人に生じた損害を賠償する責任があります。竹木の栽植等の瑕疵とは、生立する自然的、社会的な状況に照らし、その有すべき安全性の程度を欠くこと。ただ、腐食が進行した木では倒木の恐れがありますが、街中と山中では求められる安全性が違うので、瑕疵の判断も異なります。
