道路上への倒木で起きた死亡事故の遺族が道路管理者である市と、山林所有者双方に提起した賠償請求訴訟では、山林の手入れが不十分で道路脇の古木が危険な状態だった、市も伐採を求めるだけで防護柵等を講じていなかったとして、双方の瑕疵を理由に賠償が命じられた裁判例があります。
このように倒れると道路上の走行に影響が及ぶ樹木では、適切な管理が不可欠です。街灯が腐食などで倒れた事故でも、管理者や設置者に設置・管理の瑕疵があったかどうかが争点になっていきます。
これが台風で街路樹が倒れて車や家を破損した場合、倒木等の危険がない健全な樹であれば対処困難な極端な強風で折れたと考えられ、道路や樹木の管理に瑕疵があったとは認められないでしょう。
しかし、駐車場の管理者や樹木の所有者が根元部分の空洞化などの瑕疵の兆候を見逃すと、賠償責任が問われることになります。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2026年6月19日号