*12:15JST フォーバル Research Memo(5):2026年3月期:経常利益で3期連続過去最高を更新
■フォーバル<8275>の業績動向
1. 2026年3月期通期の業績概要
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比1.5%減の71,524百万円、営業利益が同0.4%減の3,724百万円、経常利益が同1.8%増の4,045百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同31.8%減の1,477百万円となり、売上高・営業利益ともに前期並みでの着地となった。経常利益は3期連続過去最高を更新、一方で当期純利益は特別損失により減益となった。
売上高に関しては、中小・小規模企業や自治体におけるDX推進の機運の高まりを受けて可視化伴走経営支援サービスが堅調に推移した一方で、連結子会社のエルコムの新紙幣発行に伴う前期の特需の反動や太陽光発電システムの減少が影響し、わずかな減収となった。主力のフォーバルビジネスグループには上記のエルコムが含まれるため、売上高は、前期比0.5%減の39,455百万円となった。主力の「F-Japan戦略」に伴う可視化伴走経営支援サービスは堅調であり、特需の剥落を補う成長をみせる。フォーバルテレコムビジネスグループは、小売電気事業の売価の低下の影響を受けたがわずかに増収となった。総合環境コンサルティングビジネスグループは、太陽光パネルの供給制約の影響等を受け大幅減収となったが、需要自体は旺盛である。人的資本経営は、セミナーなどの教育事業や新たに連結に加わったグループ会社が寄与し増収となった。
利益に関しては、売上総利益が前期比4.4%増、売上総利益率が2.1ポイント上昇の36.9%と収益性が向上した。一方で販管費は、事業拡大に伴う人員増強や情報処理費、地代家賃や旅費交通費の増加の影響等で同5.2%増、販管費率が2.1ポイント上昇の31.7%となり、その結果、営業利益でわずかに減益となった。経常利益では3期連続で過去最高を更新した。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の大幅減益は、投資有価証券評価損740百万円を計上したことが要因である。評価損の対象となった投資有価証券は、2024年に電力可視化サービス等の共同開発を目的で業務提携を行ったインフォメティス(株)(持ち株比率12.94%)の株式であり、今後も上下する可能性があるものの、会計上の処理であり直接的なキャッシュ・フローには影響しない。
継続的にM&Aを行いつつも、自己資本比率45.2%と健全な財務基盤を堅持
2. 財務状況と経営指標
2026年3月末の総資産は前期末比298百万円減の41,831百万円となった。そのうち流動資産は346百万円増であり、受取手形及び売掛金、契約資産が762百万円減少したものの、現預金の1,018百万円増加したことが主な要因である。固定資産は645百万円減であり、投資その他の資産が575百万円減少したことが主な要因である。
負債合計は前期末比1,987百万円減の20,438百万円となった。そのうち流動負債は1,313百万円減であり、支払手形及び買掛金の570百万円減少が主な要因である。固定負債は673百万円減であり、退職給付に係る負債の362百万円減少および長期借入金の332百万円減少が主な要因である。有利子負債(短期借入金、長期借入金、社債の合計)の残高は452百万円減の1,807百万円となった。
経営指標(2026年3月末)では、流動比率が169.9%(前期末155.9%)、自己資本比率が45.2%(同41.6%)となっており、健全かつ安定した財務基盤を堅持している。自己資本比率は7年半前(2019年3月末)の32.6%から12.6ポイント上昇した。これは、フォーバルテレコムのビジネスモデルのシフトにより顧客獲得に伴う前払販売奨励金が減少したことが主因である。財務の安全性が向上しており、今後のM&Aのための余資が十分な財務状況と判断できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<MY>