「ウォークスルー型顔認証改札」の仕組み実現に関わった6社の代表者。所属企業は、左からパナソニック コネクト・日本信号・東武鉄道・日立製作所・オムロンソーシアルソリューションズ・東芝(東武鉄道東上線池袋駅北改札口にて筆者撮影)
2026年7月15日、東京都内で初(2026年7月9日東武鉄道調べ)となる「ウォークスルー型顔認証改札」のサービスが始まった。顔認証に対応した自動改札機を設置したのは、東武鉄道東上線の池袋駅と上板橋駅だ。サービス提供の対象になったのは、2駅をふくむ区間のPASMO定期券を持つ利用者だ。これはどのようなサービスなのか。なぜこの2駅で始まったのか。池袋駅での報道公開を取材した交通技術解説者・川辺謙一氏が解説する。
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手ぶらで通過できる自動改札機
「ウォークスルー型顔認証改札」とは、鉄道利用者が手ぶらで自動改札機を通行できるサービスだ。自動改札機にはカメラがあり、通行する人の顔を撮影して本人確認をして、必要に応じてドアを開閉する仕組みになっている。「ウォークスルー型」という名前の通り、歩きながら自動改札機を通行できるので、立ち止まる必要がない。
東武鉄道東上線の池袋駅で実施された報道公開では、関係者によるデモンストレーションも行われた。手ぶらの人、リュックサックをかついだ人、スーツケースを持つ人、ベビーカーを押す人。これらの4人は、顔認証専用の自動改札機をスムーズに通過していた。とくに両手が塞がっていて、スマートフォンやICカードをすぐに取り出せない人には便利だそうだ。
「ウォークスルー型顔認証改札」のデモンストレーション。ポケットからきっぷやスマートフォンを取り出さずに手ぶらで通行できる(東上線池袋駅北改札口にて筆者撮影)
ただ、筆者はその様子を見て「そんなにかんたんに通過できるか?」と疑問に思った。別の機会に顔認証を使っており、「きちんと立ち止まる必要がある」という印象を持っていたからだ。
そこで実際に顔認証専用の自動改札機を通過してみた。あらかじめスマートフォンで登録した「SAKULaLa」(後述)の会員情報に、体験用の定期券IDを入力し、自動改札機に接近してみたら、すんなり通過できた。4回ほど試したうち1回は、若干反応が遅く、自動改札機のドアが一瞬閉まりかけてすぐ開いた。磁気券やICカードでも起こることなので、とくに驚かなかった。

