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森永製菓社長「チョコモナカジャンボ」パリパリ食感の秘密教えます

「チョコモナカジャンボ」は“作りだめ”せず製造後5日以内の出荷を目標とすることで、パリパリした食感を実現

「チョコモナカジャンボ」は“作りだめ”せず製造後5日以内の出荷を目標とすることで、パリパリした食感を実現

中高年が求める菓子とは

──少子化は製菓メーカーにとって逆風では?

太田:人口減はマイナス要素ですが、それほど悲観的には捉えていません。

 あるシンクタンクのレポートでは、20年後(2040年)の日本の人口は現在から15%減少するものの、菓子は高齢者を中心に一人当たりの支出が増えて支出総額でも微増と予測されています。背景には社会環境やライフスタイルの変化により手軽に食べられる加工食品に対するニーズの増加があります。

 とくに当社は、中高年の方々が慣れ親しんでいる「ミルクキャラメル」や「マリービスケット」、「チョコボール」という歴史のある定番商品を多く持っています。さらに、菓子・食品・冷菓・健康など様々なカテゴリーがあり、横断的な商品を開発できることも大きな強みになると思います。

──ロングセラー商品ならではの取組みは?

太田:もちろん古いブランドをただ維持していけばいいと考えているわけではありません。さらなる付加価値を付け、ブランドを磨き売上を伸ばしていきたい。

 2月9日には、「長期保存食マリービスケット」を発売しました。保存期間が6年と長く、非常時のおやつとして防災用の備蓄に適したものです。

「ハイチュウ」も「ハイチュウミニ」や「ハイチュウプレミアム」など新たなバリエーションが好調で、アメリカでもよく売れています。

 菓子のニーズは時代とともに変わっていきますから、その時代時代のお客様に選ばれ続けていかないといけません。ロングセラー商品を大事にしながら、新たなチャレンジも積極的に行い、成長し続ける永続企業を目指していきます。

【プロフィール】
太田栄二郎(おおた・えいじろう)/1959年兵庫県生まれ。同志社大学商学部卒業後、1982年森永製菓入社。取締役冷菓事業本部長 、取締役営業本部長、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員などを経て2019年6月から現職。

【聞き手】
河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

撮影/山崎力夫

※週刊ポスト2021年4月9日号

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