キャリア

社会人になって「大学で学び直したい」人たち それぞれの事情と勉強への思い

絵を描くことが昔から好きで本格的に学びたい

 50代女性・Bさんは、専業主婦。家庭の事情から大学への進学をあきらめた過去がある。

「それなりに偏差値が高く、9割が大学に進学するような高校でしたが、家計の急変から学費は出せないと言われてしまいました。その後、弟は『男の子だから』という理由で大学に通わせてもらっていていましたけどね」(Bさん)

 Bさんは、高校卒業後に就職した職場で出会った男性と結婚。子供が大学を卒業した今、今度は自分が大学に通うことを意識し始めているという。

「自分が悔しい思いをしていたので、子供は絶対に大学を卒業させると決めていて、今はその責務を果たした気持ちです。そして自分にも余裕が出てきたので、大学進学を考えるようになりました。

 絵を描くことが昔から好きなので、いつかきちんと学んでみたいと思っていました。だからといってプロの画家になりたいというわけではなく、趣味を充実させるために美大の通信制に通うのは贅沢だと思いましたが、夫も賛成してくれました。いくつになっても遅くないと思って頑張りたいです」(Bさん)

大学時代に無駄な時間を過ごしていたことを後悔

 大卒でも、大学で学び直したい人もいる。40代男性・Cさんは「なんとなく偏差値高めの大学で、就職しやすそうな学部」に入ったことに後悔があるという。

「当時は興味のある学問なんてなかったので、自分が入れる最大の偏差値で、なおかつ“使えそう”な経済学部、という視点でしか受験をしませんでした。今思えば、親にお金を出してもらっていたのに、大学に通ったのはほとんど単位取得のためだけ。大学生は遊ぶもの、とばかりに無駄な時間を過ごしました……。

 留年して5年も通ったのに、正直、『大卒』資格としてしか機能していません。今なら、心理学系や社会学系の学部に興味がありますね。お金の大事さもわかるようになった社会人のほうが、大学にも真面目に通う気もします。タレントさんの大学入学のニュースを聞くたびに、僕もどこか通えないかな、と調べるのが癖になっています」(Cさん)

 いくつなっても、成長し続けられるもの。年齢を重ねて、さまざまな事情から学びへの意欲が高まっている人たちは少なくないようだ。(了)

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