藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

金利上昇で注目される債券投資 「個別で買う」か「債券ファンドを買う」か、選択のポイント

個別かファンドか選ぶ際のポイント

 この債券が欲しい!と決められる人にとっては、個別債券のほうが収益が明確なのでよいと思います。償還期間まで保有していれば基本的には元本割れはないですし、利率も確定しています。いつまでにいくらにしたいという決まった目標がある場合には、個別債券がよいでしょう。

 一方で、自分で債券を決める自信がない初心者さんや、海外社債など知識が追いつかない分野や入手が難しい債券の場合は、プロが運用している債券ファンドが向いています。また、いつまでという期限がなく、長期投資を目的とするなら償還期限がない債券ファンドがよいですね。

 債券ファンドは、少額から購入でき、積立投資が可能です。NISAやiDeCoを利用できるのもうれしいメリット。

債券ファンドの選び方

 金利下落局面では、債券価格が上昇し、金利上昇局面では債券価格は下落します。となれば、これから金利が下落しそうな市場の債券を買うのが得策です。日本では、いまだゼロ金利政策を取っていますので、これから下がる可能性は低いでしょう。一方、欧米に目を向けると、去年、急激に行われた金利引き上げによって実態経済が減速しつつあります。それによって今後は金利引き下げに動くのではないかと考えられますのでこちらほうが狙い目です。

 債券ファンドで、日本以外の先進国債券に投資をするファンドはいくつかありますが、純資産額の大きさと、信託報酬の安さから選ぶと「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」になります。

 組み入れ上位の国は、アメリカ49.9%、フランス8.5%、イタリア7.5%、ドイツ6.5%、スペイン4.8%、イギリス4.8%と昨年利上げを積極的に行った国ばかり。投資している債券の格付けは、投資適格のトリプルB以上。最も多いのがダブルAとかなり保守的なポートフォリオです。信託報酬は0.15%と低水準。債券投資の一歩目としては、ハードルが低いのではないでしょうか。

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