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大谷翔平の活躍は伝統工芸にも好影響 「兜セレブレーション」が“五月人形離れ”に歯止めをかけるか

大谷翔平「兜セレブレーション」の影響力を分析(時事通信フォト)

大谷翔平「兜セレブレーション」の影響力を分析(時事通信フォト)

 WBCでは侍ジャパンを世界一に導いてMVPを獲得し、シーズン開幕後も目覚ましい活躍を見せる大谷翔平(28)。その影響力の大きさは凄まじいようだ。所属するエンゼルスでは今季から、ホームラン後にチームメイトを祝うパフォーマンス「兜セレブレーション」が披露されており、大谷が4月9日(日本時間10日)にホームランを放って「初兜」姿に注目が集まると、製造元である鹿児島県の甲冑工房丸武産業には、税込み定価33万円という値段にもかかわらず、問い合わせが殺到しているという。

 丸武産業の担当者は、驚きと喜びを隠せない。

「非常に多くの方から問い合わせが来ています。エンゼルスの兜が話題になってから、端午の節句の前ということもありオンラインショップには通常時の30~40倍のアクセスがあります。うちの兜を取り扱っている販売店がエンゼルスから注文をもらったようなのですが、私たちにとっても驚きでした。大谷選手の活躍を期待し、今季は何回でも被ってほしいです」

 丸武産業によると、大谷選手着用の兜にあしらわれた獅子の装飾「前立獅子頭」(税込み定価1万9800円)は、兜とは別売りの品になるが、注文が殺到したため販売停止になっているという。

 少子化の影響もあって、兜飾りなど、端午の節句に飾る「五月人形」の市場は縮小している。加えて、収納スペースの問題や生活スタイルの変化で子育て世帯の「兜離れ」が指摘されている。レンタルトランクルームを運営する株式会社アンビシャスが2022年3月に発表した調査によると、子供の日にお祝いをする家庭の割合は91.7%に対して、兜を飾る家庭は43.5%(鯉のぼり51.8%、五月人形38.0%)。そうしたなかで、大谷を中心としたエンゼルスのパフォーマンスが思わぬ追い風となっている格好だ。

約1300万人に「兜」の情報が届けられた

「大谷特需」とでも呼ぶべき宣伝効果は非常に大きいと考えられる。WBCでラーズ・ヌートバー(25)の見せた「ペッパーミルパフォーマンス」が、大谷をはじめとするチームメイトたちの間で定着したことにより、調理器具のペッパーミルを買い求める人が急増したことは記憶に新しい。

 国内大手PR会社プラップジャパンのデータアナリストである寺門洸人氏に、SNSのつぶやきなどの広がりや影響を分析するツール「Talkwalker」を用いて、大谷の兜飾りの影響力を分析してもらった。寺門氏はこう解説する。

「4月7日から11日までの4日間で、Twitterとインターネットのニュース記事で『兜』というキーワードが投稿された数を調べると、Twitterが2574件、記事が295件ありました。その数値をもとにTwitterでリーチした人数を推定すると、延べ1294万7834人にのぼります。約1300万人に『兜』の情報が届いたことになる。ちなみにペッパーミルに関しては、3月1日から4月12日までにTwitter上で推定約3億4000万人に届けられています。

 経済効果がいくらと金額で言い表わすことはできませんが、子供の日を前にしたタイミングもありますし、これまで製造元が情報を届けられなかった多くのターゲットに兜の魅力を訴求できたのではないでしょうか」

 大谷が本塁打を量産するほどに、日本の伝統工芸にも注目が集まる。大谷の活躍は意外なところで日本経済にポジティブな効果を与えているようだ。(了)

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